研究課題/領域番号 |
19K21219
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補助金の研究課題番号 |
18H06099 (2018)
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 (2019) 補助金 (2018) |
審査区分 |
0801:薬学およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
小倉 次郎 東北大学, 大学病院, 助教 (20580640)
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研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 神経変性疾患 / PDI / S-ニトロシル化 / 基質結合ドメイン / 小胞体ストレス / S-ニトロソ化 |
研究開始時の研究の概要 |
Protein disulfide isomerase (PDI) は基質タンパク質のS-S bond 形成を担い、タンパク質の 高次構造形成に重要な役割を果たしている。神経変性疾患に共通の特徴として異常タンパク 質の蓄積が挙げられるが、神経変性疾患患者からS-ニトロソ (SNO) 化PDI が検出され、異常タンパク質蓄積の原因と考えられている。そこで、本研究ではPDI の脱SNO 化を機序とした新規神経変性疾患の治療・予防法の確立を目的に、神経細胞におけるPDIのSNO 化部位の同定、及び、それに伴う神経変性の進展との関連を解明する。
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研究成果の概要 |
S-ニトロソ化 (SNO化) Protein Disulfide Isomerase (PDI) は神経変性疾患患者の脳から検出され、異常タンパク質の蓄積、ひいては神経変性の原因と考えられている。これまで、PDI のSNO 化は活性中心であるCGHC モチーフに生じると考えられてきた。しかしながら、近年、この仮説と矛盾した知見がいくつか報告された。本研究では、PDIのSNO化部位として基質結合ドメイン中のC343を同定し、PDI C343のSNO化は神経細胞内で安定に存在することを明らかとした。さらに、PDI C343のSNO化は小胞体ストレスマーカーであるIRE1αを誘導することを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
PDIはa、a' domainの両活性中心に酸化力の強いSH基を有し、抗酸化物質を容易に捕捉する。実際、生体内抗酸化物質であるグルタチオンはa domainに存在するSH基に捕捉される。一方、神経変性疾患の予防効果を持つとして注目されるフラボノイド類はSNO化部位であるC343を含むb' domainに結合する。この特性はフラボノイド類の構造的特徴に由来し、構造が類似する化合物は同様の特性を示す可能性が高い。このため、本研究によりPDIのSNO化部位が同定されたことにより、今後様々なフラボノイド類のPDI脱SNO化作用を検証することで、将来的な認知症予防の実現に繋がると期待される。
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