研究課題/領域番号 |
19K23237
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0107:経済学、経営学およびその関連分野
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
岡崎 滋樹 立命館大学, 経済学部, 研究員 (00844317)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2019年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | 戦時期 / 占領地 / 畜産政策 / 牛疫 / 占領地政策 / 海南島 / 畜産業 / 台湾総督府 / 台湾拓殖株式会社 / 帝国 / 台湾 / 畜産 / 農業経済 / 資源 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、「植民地台湾」と「畜産業」という視点から、戦前日本の帝国像を検討することにある。これまで、近代東アジア経済史研究において、動物資源は関心が低く、未解明の分野であった。動物は人為的改変が困難であるため、畜産業の政策は高い合理性が求められる。台湾で馬を増殖するという中央政府が発案した政策に対し(馬政計画)、台湾総督府はそれを利用して畜産振興策を確立し、台湾を起点に東アジア地域を中心とした新たな飼料・畜産加工品貿易が活発化する。こうした非合理的な政策から合理的な施策を生み出す台湾総督府の構想は、東アジアの農業経済圏を再編し、戦前日本の帝国像に従来とは異なる視座を提示するのであった。
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研究成果の概要 |
本研究では、畜産業という視点から、戦時期に日本の勢力圏で農業経済システムが再編されていく過程を検討した。農林省と陸軍省および拓務省、そして台湾総督府が策定した馬の増殖を目指す台湾馬政計画(1936年~)を機に、台湾総督府内では畜産部門の体制が強化され、台湾での体制強化は軍部が主導する華南占領地の畜産事業運営にも大きく関わっていた。今回は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で当初期した研究計画の全てを消化することはできなかったが、戦時期の華南占領地において軍部と台湾総督府および台湾拓殖株式会社が主となって進展させた畜産部門の運営実態と、旧来の農業経済システムが再編される過程の一側面を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、戦時期の華南占領地において、軍部と台湾総督府および台湾拓殖株式会社が主となって進展させた畜産部門の運営実態と、旧来の農業経済システムが再編される過程の一側面を明らかにした。これまで、戦時期の華南占領地を対象とする研究の多くが、軍部との関係を忌避して進められてきた。しかし、本研究では軍部との関係を再整理し、あらためて現場の様相を実証したことで、今後の指標となるべく研究結果を提示した。
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