研究概要 |
[結果]1)HuCCT1およびHuH28細胞において,それぞれ21.7および30.9%のFasの発現を認めた。2)CH-11は0.01-1.0μg/mlの濃度で用量依存性に、HuCCT1およびHuH28細胞の細胞数を3日間でそれぞれ最高16.4および71.7%減少させた。3)CH-11またはIFN-γを加えた細胞においては、陽性controlど同じ位置のpeakを認め、DNAの断片化が証明された。4)CH-11を加えた細胞から抽出したDNAのelectrophoresisはsmear状となった。5)CH-11またはIFN-γで処理したHuCCT1およびHuH28細胞で、核の濃縮、断片化、apoptpsis小体などapoptosisに特徴的な所見が認められた。6)HuCCT1細胞においては、4B4はCH-11による細胞数の減少に変化を与えなかった。HuH28細胞においては、4B4はCH-11による細胞数の減少を41.7%抑制した。7)IFN-γの24時間の前処置により、HuCCT1細胞ではFasの発現は17.6%増加したが、HuH28細胞ではFasの発現に変化はなかった。8)IFN-γの24時間の前処置により、CH-11によるHuCCT1とHuH28の細胞数の減少はそれぞれ41.2%および8.2%増加した。9)IL-2のみでは3日間でHuCCT1の細胞数に変化はなく、IL-2の24時間の前処置によってもCH-11による細胞数の減少に変化はなかった。IL-2のみではHuH28の細胞数は3日間で11.2%減少したが、IL-2の24時間の前処置によってもCH-11による細胞数の減少に変化はなかった。10)IFN-γは0.1-100U/mlの濃度において用量依存性に、HuCCT1およびHuH28の細胞数を3日間でそれぞれ最高45.1%およよび87.8%まで減少させた。11)HuH28細胞において、CH-11の8時間処理によりcaspase-3を検出した。[結論]ヒト胆管癌細胞においてFasが発現していること、抗FasmAbまたはIFN-γによりapoptosisが誘導されること、4B4によりCH-11のapoptosis誘導作用が抑制されること、IFN-γによりFasの発現とapoptosis誘導作用が増強されること、さらに抗FasmAbによりcaspase-3が活性化されることが明らかとなった。
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