小児肝移植後、長期経過患者において抗ドナーHLA抗体(Donor Specific Antibodies : DSA)が約40%の症例に認められ、移植肝の線維化に強い相関がある。本研究では、肝移植術後早期のde novo DSAについて評価を行った。 本研究では、移植後3年以内に38.6%の症例でDSAが陽性になったことがであった。DSA陽性症例では、急性細胞性拒絶反応(ACR)および慢性拒絶反応の所見が45.5%にみられ、DSA陰性症例の25%に比べ、頻度が高い傾向にあった。 DSAの陽転化の因子としては、ドナー年齢、ACRの既往、感染症による免疫抑制剤の減量が有意な危険因子として検出した。
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