Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
将積 一夫 同和鉱業(株), 研究開発本部, 課長
丹野 浩一 宮城工業高等専門学校, 材料工学科, 教授 (50042247)
赤沢 真 宮城工業高等専門学校, 機械工学科, 助教授 (60005379)
庄司 彰 宮城工業高等専門学校, 機械工学科, 教授 (40042246)
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Budget Amount *help |
¥3,800,000 (Direct Cost: ¥3,800,000)
Fiscal Year 1992: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1991: ¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
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Research Abstract |
ナイロン,ポリアセタールなどの素材から成るプラスチック歯車は軽くて靭性,自己潤滑性に富み,射出成形による量産が可能で,仕上げ加工が不要なことから,精密摺動機械部品などとして各分野で使用され,さらにこれらのプラスチックに二硫化モリブデンや黒鉛,フッ素樹脂などの固体潤滑剤等を充填したプラスチック歯車も製造されるようになってきたが,耐摩耗性,成形性,機械的強度などのより一層の向上が強く期待されている。 本研究はプラスチック材料との関わりについてはこれまで全く検討されていない金属カリウム,インジウムなどのレアメタルおよびその合金や他の粉体を種々のプラスチック材料と複合化させ,その相互作用や潤滑のメカニズムなどを明らかにし,潤滑特性,成形加工性,耐久性などに著しく優れた,従来知られていない,全く新しい自己潤滑性プラスチック歯車を創製し,その実用化を図るものである。 本年度はプラスチック素材としてポリプロピレンを選び,これにレアメタルとして金属インジウムを微量添加し複合化させ,得られた材料について成形性を示すメルトフローインデックス,シリコンカーバイド研磨紙を用いた摩耗試験,鋼板との静摩擦試験,水との接触角測定などの各種試験測定を行った。その結果,インジウムの微量添加によってメルトフローインデックスが増大してプラスチック歯車の射出成形性が著しく改善されること,摩耗量が減少して耐摩耗性が向上すること,静摩擦係数が減少し,摩擦特性が大幅に向上すること,水との接触角が増大し,歯車の揆水性が一段と改良されることなど非常に興味ある結果が得られた。今後さらにプラスチック歯車としての性能評価の研究を継続するが本研究によって新しい自己潤滑性プラスチック歯車の実用化の見通しが得られた。
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