中国新石器時代葬制の考古学的研究 特に二次葬をめぐって
Project/Area Number |
06801049
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
考古学(含先史学)
|
Research Institution | Shimane International College |
Principal Investigator |
横田 禎昭 島根県立国際短期大学, 国際文化学科, 教授 (50259561)
|
Project Period (FY) |
1994 – 1996
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
|
Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1996: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 1995: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1994: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
|
Keywords | 中国新石器時代 / 新石器時代の葬制 / 二次葬 / 仰韶文化 / 半坡類型 / 史家類型 / 廟底溝類型 / 姜寨遺跡 / 西安半坡 / 北首嶺 / 姜寨 / 横陣村 / 甘粛仰韶文化 / 馬家窯類型 / 斉家文化 / 辛店文化 |
Research Abstract |
中国新石器時代の葬制の中において、二次葬は、仰韶文化よりも早期段階の裴季崗文化の賈湖遺跡や老官台文化の龍崗寺遺跡から報告例があるが、いずれも少数であって主流とはなっていない。しかし、二次葬は華北の新石器時代早期文化の段階で独自に出現したものと考えられる。次の仰韶文化の段階に入ってから、多くの遺跡の墓葬に見られるが、その分布における地域差と類型による違いが明らかに認められる。その分布は、黄河の中・上流域に広く、しかも、渭水下流域の陜東地区の遺跡に多くみられるという偏在した在り方を示している。また、類型別に見れば、史家類型、半坡類型の遺跡に多く見られるが廟底溝類型や後岡類型には少ない。なかでも、史家類型の墓葬は、ほとんどの墓葬が二次葬で、一次葬は非常に少ないという、墓地内における二次葬がきわめて高率で出現し、しかも単独の二次葬よりも合葬形式の二次葬が主流となっており、また、成人の合葬や成人と小児の二次葬による合葬がある。分析可能な姜寨遺跡では、半坡類型の第一期文化層の墓地は、二次葬は少数で圧倒的に一次葬による埋葬で、集落の東部、南部に営まれていた。そして集落の中央部は広場となっていた。ところが、史家類型の第二期文化層では、合葬による二次葬が圧倒的に多く、しかも、墓地はかつての広場の中心部の狭い一定の限定された範囲内に幾層にも重複して営まれている。このような墓地空間構成の違いは、二次葬を行なうこと自体が共同体の中で社会性を持つものであり、そしてまた特定空間に二次葬を集中させることも社会性が加わることを意味しており、死後数十年を経るプロセスの中で、死者たちは、親族関係のみの二次葬から、その個性を失って融合し共同体全体の存在、すなわち粗霊というカテゴリに納まったことを意味していると解釈できる。
|
Report
(3 results)
Research Products
(1 results)