1995 Fiscal Year Annual Research Report
中国新石器時代葬制の考古学的研究 特に二次葬をめぐって
Project/Area Number |
06801049
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Shimane International College |
Principal Investigator |
横田 禎昭 島根県立国際短期大学, 国際文化学科, 教授 (50259561)
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Keywords | 中国新石器時代 / 新石器時代の葬制 / 二次葬 / 仰韶文化 / 西安半坡 / 北首嶺 / 姜寨 / 横陣村 |
Research Abstract |
二次葬は、中国新石器時代の仰韶文化の時代に出現した葬制の一つである。その分布も黄河の中・上流域に広く分布し、しかも、二次葬例の多い遺跡が西安半坡遺跡、北首嶺遺跡、姜寨遺跡、史家遺跡、横陣村遺跡、元君廟遺跡、下王崗遺跡にあり、陜西省のなかでも渭水流域から東西方向、いわゆる中原と呼ばれる地域に分布しているという偏在した在り方を示していることが分かった。また、共同体の墓地内においても、一次葬が多い中に少数の単独の二次葬が混在する混合型には、半坡遺跡、姜寨遺跡、北首嶺遺跡があり、一次葬と混在するけれども、二次葬の方が多いタイプに横陣遺跡、元君廟遺跡、史家遺跡、下王崗遺跡がある。合葬墓型式の二次葬は、成人のみの合葬と元君廟遺跡や史家遺跡のように、小児と成人と共に二次葬の合葬と子供の一次葬と多数の二次葬の合葬がある。 仰韶文化においては、子供の埋葬は、半坡遺跡のように、これまで甕棺で住居に周囲に埋葬されるのが一般的であったが、元君廟遺跡と史家遺跡では、一部の子供が共同墓地内に一次葬あるいは二次葬でともに成人と合葬されており、また、元君廟遺跡で発見された単独の二次葬の中には、共同体の長老クラスの男性が二次葬で処理され、墓坑周囲に石礫を積み上げた郭を設けており、共同体内部に階層的分化に向かう要素としての二次葬が認められうる。
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