Research Abstract |
(1)Hereditary progressive dystonia(瀬川病)の遺伝子解析 目的:Hereditary progressive dystonia with marked diurnal fluctuation(HPD:瀬川病)のGTP cyclohydrolase I(GTP-CH-1)遺伝子異常と臨床像との関連につき検討した. 対象,方法:日本人HPD6家系8例およびその両親の白血球よりゲノムDNAを抽出し,GTP-CH-1遺伝子の塩基配列を決定した. 結果,結語:3家系3例にGTP-CH-1遺伝子異常を認めた.それぞれ,開始コドンであるATGのGからCへの1塩基置換,His 144 Pro,exon2の欠失するsplicing異常であった.GTP-CH-1遺伝子上に異常を検出しえない3家系5例では臨床像や臨床経過に特異な点を認めた. (2)Ataxia with vitamin E deficiency(AVED)症例における遺伝子解析 目的:1995年にα tocopherol transfer protein(α-TTP)遺伝子上にAVED患者ではじめてmutationが報告された.今回、AVED患者および患者家族の遺伝子解析をおこなった. 方法、結果:患者と患者のリンパ球よりDNAを抽出し α-TTP遺伝子の全exonとexon-intron junctionをPCR法により増幅し、そのPCR断片を直接シークエンス法にて解析した.患者はエクソン3の3'端がGからAに変異しているホモ接合体、患者の両親はヘテロ接合体であった.このmutationを含む断片をALwNI制限酵素によりRFLP解析を行い上記の変異を確認した.また500人の日本人にこの変異がみられず、正常のポリモルフィズムではないことを確認した.本例ではスプライシング異常をきたすことが予想された.コントロール、患者、患者両親のリンパ球より抽出したRNAをRT-nested-PCRを行いその断片のシークエンス解析をおこない、エクソン3が欠失していることを確認した.
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