Research Project
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
古墳時代には木棺や石棺など様々な素材で多様な形態の棺が製作されたが、今回研究を進めた土製の棺も古墳時代の葬法を知るうえで重要な資料である。今回の研究ではまず古墳時代の土製の棺を集成することを目的とした。土製棺の製作には粘土という可塑性のある素材を用いるため、その形態は多様である。しかし、その多様性ゆえにこれまで網羅的に集成されたことは無く、石棺や木棺の研究に比して研究が進展していない状況にあった。また、比較研究を進めるためにも、総合的な集成と研究の必要があった。今年度は昨年度に引き続き、古墳時代の土製棺(円筒棺、埴輪棺など)の実測図や写真を集成し、データ化した。また、土製棺の性格を解明するうえで重要な資料を実見し、実測図作成、写真撮影などの資料化を行った。今年度は主として東日本の資料について資料化を行い、集成をほぼ終了した。これらの資料については形式・型式分類を行い、編年や分布状況等の分析のための基礎作業を行った。なお、本年度の研究成果の一部については、「造山古墳と小方墳」、「吉備の集団と地域間交流」の2本の論文中において発表している。
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