Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2015: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2014: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2013: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、ウシ、特に黒毛和種由来のiPS細胞の樹立に取り組んだ。黒毛和種は、我が国が誇る貴重な遺伝資源であり、iPS細胞を樹立することで、我が国の食肉生産に大きく貢献することができる。我が国では、遺伝子組換え食品に対して消費者は、良い印象を持っていない。将来の食料生産への応用を考えて、本研究では、遺伝子挿入を伴なわないiPS細胞の樹立を試みた。 本研究では、まずリプログラミング因子の検討を行った。検討の結果、Oct3/4, Sox2, Klf4, c-mycに加えて、Lin28. Nanogを加えた6因子による樹立が効果的であるという結果が得られた。この予備的な検討に基づいて、iPS細胞の樹立を試みた結果、未分化マーカー陽性である黒毛和種由来細胞の樹立に成功した。具体的には未分化マーカーであるアルカリフォスファターゼやStage specific embryonic antigen陽性の細胞を樹立することに成功した。黒毛和種由来でこの様な未分化状態を示す細胞は未だ報告がないことから、農学領域において、大きな結果となった。一方で、時間的な問題から分化能力の証明までは至らなかった。これまで樹立が難しいとされていたウシから未分化マーカー陽性細胞細胞を樹立した結果は大きな結果であると考えられる。 一方で、本研究で、洗い出された樹立方法をげっ歯類に応用することで、より効率的にiPS細胞が樹立できる結果が得られており、本研究で得られたiPS細胞の樹立方法は、未だ樹立効率が決して高くないiPS細胞の安定的な樹立につながる可能性が示唆された。
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