Project/Area Number |
17730209
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Public finance/Monetary economics
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Research Institution | Tokyo Keizai University |
Principal Investigator |
安田 行宏 Tokyo Keizai University, 経営学部, 准教授 (10349524)
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Project Period (FY) |
2005 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2007: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2006: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2005: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | 金融仲介機関 / 信用保証制度 / 保証つき貸出 / 保証なし貸出 / 担保 / 公的資金 / デットオーバーハング / 情報生産機能 / 部分保証 / 可変料率 / 限界資金供給者 / プロジェクトファイナンス |
Research Abstract |
今年度は、保証つき貸出の保証なし貸出の影響について分析を行った。昨年度報告した簡単なモデルを一般的なモデルに拡張し、担保付貸出が存在する場合についても分析を行った。これらの結果を踏まえ論文の形式にまとめたところである。 この論文から得られる主な結果は以下の通りである。 1. 保証つき貸出は保証なし貸出にプラスの影響を与える補完的な効果をもつ場合がある。 2. 1の効果は、銀行の健全性が損なわれているほど大きい。 3. 公的資金の注入は銀行貸出に対してプラスの影響を与え、そのインパクトは米国におけるそれとほぼ同じであった。 以上から、保証枠の充実、公的資金の注入など銀行業への介入はこれらの要因を踏まえて慎重に行われるべきであることを示唆している。 この論文は、共著者であるWilcox教授(UC Berkeley)によってFRBNY、FRBKCのコンファランスで発表された。さらに、2008年1月に行われたASSAの学会で報告を行った。また、3月には世界銀行のコンファランスにて共著者が報告を終えたところでありこれらの報告で受けたコメントを踏まえ、修正・改善をおこなった後に専門雑誌に投稿予定である。 上記の論文は保証つき貸出が保証なし貸出に対して与える影響を理論、実証的に分析したものであるが、これらの日本の銀行行動が社会的に望ましいものであるのか否かの分析は行われていない。そこで、保証つき貸出は銀行に対してリスクテイクを促すか否かについて理論モデルを構築し終えたところであり、このモデルから得られる実証的インプリケーションを検証する準備段階に入ったところである。これらの分析にはもうしばらく時間を必要とする。 なお、前年度から継続中の銀行貸出と生保貸出との関係の実証分析は引き続き修正中である。
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