肺腺癌の発癌過程における結節性硬化症遺伝子の関与の解明
Project/Area Number |
17790944
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Thoracic surgery
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
高持 一矢 Hamamatsu University School of Medicine, 医学部附属病院, 医員 (30397369)
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Project Period (FY) |
2005 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 結節性硬化症遺伝子 / 肺腺癌 / EGFR / ゲフイチニブ / FISH / ゲフィチニブ / mTOR |
Research Abstract |
結節性硬化症(TSC)遺伝子産物は、EGFRシグナル伝達経路(PI3K/Akt/mTOR)の下流でmTORを制御している癌抑制活性を持つ分子で、その活性はAktによるリン酸化によって抑制的に調節されている。平成17〜18年度は、EGFRシグナル伝達関連遺伝子(EGFR、KRAS、PIK3CA)の異當が非小細胞肺癌発生において早期の段階から関与し、これらの遺伝子異常に基づいて、非小細胞肺癌の分子生物学的分類が可能になることを明らかにし、英文論文にて報告した。 本年度はEGFR遺伝子の転写活性を制御しているintron 1のCA repeatの多型と肺癌のgefitinib感受性に関わるEGFR遺伝子の変異、増幅、タンパクレベルでの発現との関連について検討した。非小細胞肺癌169切除例の腫瘍と正常肺におけるCA repeat数を比較し、CA repeat数が少ない程、EGFRの増幅が認められる傾向があり、gefitinibへの感受性が高いことが明らかになった。 また臨床ではEGFR遺伝子変異が陽性であったため、試験的にgefitinibを投与し非常に有効であった症例を経験した。第一のケースは、根治切除不能な局所進行肺線癌に対してEGFRの遺伝子変異を検索し、変異の認められた症例にfirst lineでgefitinibを投与し奏功して完全切除が可能になった症例である。第2のケースは、gefitinibが奏功したEGFR遺伝子変異陽性の肺腺癌術後再発患者で、重篤な副作用として知られている間質性肺炎を発症したため治療を中断し、腫瘍が再増殖したため、gefitinibを減量再投与して再度奏功した症例である。いずれも、gefitinib治療の新たな可能性を示唆する重要な知見であったため、英文論文にて報告した。 その他、TSC1遺伝子のプローブを独自に作成し、肺癌切除検体138例を用いてFISH法による遺伝子の失欠、増幅を調べた。24例に増幅(disomyもしくはtrisomy:23例:、1例にamplification:1例)を認めたが、予想していた失欠は認められなかった。今後の研究ではTSC1遺伝子とEGFRシグナル伝達関連遺伝子の異常とを合わせて包括的に検討し、TSC1遺伝子の肺癌の発生、増殖における機能を明らかにしていく予定である。
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Report
(3 results)
Research Products
(5 results)