大学生におけるラーニングアウトカムの発達軌跡を規定する要因
Project/Area Number |
17K04384
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Research Field |
Educational psychology
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Research Institution | Kyoto Notre Dame University |
Principal Investigator |
尾崎 仁美 京都ノートルダム女子大学, 現代人間学部, 教授 (10314345)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松島 るみ 京都ノートルダム女子大学, 現代人間学部, 教授 (40351291)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2020: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2019: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2018: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2017: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 大学生 / 学習成果 / 大学教育 / 縦断調査 / 教育系心理学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、大学生におけるラーニングアウトカム獲得のプロセスとメカニズムを解明することである。これまで、大学入学時から3年間の縦断調査を実施し、ラーニングアウトカムの関連要因について、学年による差異を明らかにしてきた。その結果、ラーニングアウトカムの関連要因には学年によって差異があり、学年特有の心理的課題と関連がみられること、また、授業だけでなく、友人との学習行動や社会的活動など授業以外の取り組みもラーニングアウトカムの獲得につながることが示された。 2022年度は、授業の要因としてオンライン授業と対面授業という授業方法の違いに着目し、また学習者の要因として学業への積極性を取り上げ、自己調整学習方略およびつまずきへの対処方略とラーニングアウトカムとの関連について検討を行った。その結果、対面授業ではオンライン授業と比べて「社会的関係形成力」の獲得が促進されること、一方、オンライン授業では対面授業よりも「情報リテラシー」の獲得が促進されることが示された。また、オンライン授業では、自己調整学習方略はラーニングアウトカムとの関連がみられなかったが、対面授業に関しては、学業への積極性が高い者においてのみ自己調整学習方略の使用が対面授業における学習成果の獲得と関連するのに対し、学業への積極性が低い者においては、自己調整学習方略と学習成果との間に有意な関連がみられなかった。つまずきへの対処方略として、対面授業において教員に質問することは、学業への積極性の高低に関わらず、ラーニングアウトカムと正の関連を示すことが明らかになった。これらの結果から、特に学業への積極性が低い者に対する教員との関わりの重要性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
大学入学時から3年間にわたって年2回(前期末と後期末)の縦断調査を行うことが出来た点は概ね計画通りであると言える。当初は、縦断データについて、ラーニングアウトカムの変化パターンから対象者を抽出し、インタビューを行う予定にしていたが、縦断データの分析に時間を要し、対象者へのインタビューを実施することができなかった。 そこで2020年度には、当初の計画を変更し、4年生を対象にアンケート調査およびインタビューを実施し、卒業時における意識を量的・質的に捉えることにより、ラーニングアウトカム獲得のプロセスを検討することとしたが、新型コロナウイルス感染拡大により、オンラインによる調査および面接への協力を求めたため、参加者数が少なくなった。 2021年度において、1~3年生におけるラーニングアウトカムの関連要因について分析を行い、2022年度には、授業方法と学習者の個人特性を考慮し、ラーニングアウトカムの関連要因について検討を行ったが、質的データの分析に着手できていないことから、「やや遅れている」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
1~3年次の縦断データについて、各学年におけるラーニングアウトカムの関連要因については検討を行ったが、ラーニングアウトカムの変化については検討が出来ていないため、今後は3年間の変化について分析を行う。また、インタビューデータにおいて、大学生活において身につけた力とそれに関連する活動内容を聴き取っていることから、縦断調査および卒業時におけるアンケート調査結果と照合させることで、ラーニングアウトカム獲得のプロセスを検討する。さらに、縦断調査は限られた対象者のデータであるため、今後はより多くのデータを収集し、縦断調査で得られた知見が一般化できるかどうかを検証する。
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Report
(6 results)
Research Products
(11 results)