Budget Amount *help |
¥1,210,000 (Direct Cost: ¥1,210,000)
Fiscal Year 2007: ¥420,000 (Direct Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2006: ¥790,000 (Direct Cost: ¥790,000)
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Research Abstract |
中学生,高校生とその両親に多次元的共感性尺度および親子関係診断検査EICAによる自記式質問紙調査を実施した。【対照群】東北地方のある県に在住する生徒829名とその両親から得られた有効回答513組を分析した。 (1)男子は女子よりも親の共感性との関連が広範囲でみられた。また,中学生は高校生よりも多くの関連が認められた。他者指向的な「共感的関心」「気持ちの想像」は親と子どもで同調する傾向があり,中学生女子ではとくに母親との関連が大きかった。 (2)子どもの共感性をEICA単独類型で多重比較したところ,父親,母親を問わず「受容型」のほうが「拒否型」よりも子どもの「共感的関心」が高く,他者の状況や感情体験に対して自分も同じように感じ,他者志向の暖かい気持ちをもつ傾向が高かった。「統制型」や「自律型」の因子よりも,「受容型」であることが,子どもの「共感的関心」の高まりと関係しており,子どもが親に受容されていると認識していることが他者志向的な共感性を育むうえで重要と考えられる。子どもの共感性とEICA一次因子得点では,親の「情緒的支持」と子どもの「共感的関心」「気持ちの想像」に関連が認められ,子どもが親に情緒的に支持されていると感じることが他者への共感を促すと考えられた。 【神経症群】神経症と診断された生徒とその親3組から有効回答が得られた。それぞれ同じ学年,性別の対照群の平均値と比較すると,3名中1名(中学2年男子)において「ファンタジー」が標準偏差の範囲以上に高かった。このケースのEICA一次因子得点をみると父親の「情緒的支持」が標準偏差の範囲以上に高かったが,「共感的関心」「気持ちの想像」の値は平均的だった。EICA単独類型は,父親が「自律型」と「受容的自律型」,母親が「受容的自律型」で占め,「拒否型」のケースはみられなかった。
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