リコンビナントトロンボモジュリンの血管内皮グリコカリックス増生効果の検討
Project/Area Number |
18K08914
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 55060:Emergency medicine-related
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
鈴木 浩大 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 助教 (80724583)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 英志 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (30402176)
長屋 聡一郎 岐阜大学, 医学部附属病院, 助教 (60444311)
土井 智章 富山大学, 学術研究部医学系, 教授 (00444307)
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Project Period (FY) |
2022-01-04 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2018: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 血管内皮グリコカリックス / 血管内皮障害 / リコンビナントトロンボモジュリン / 敗血症 / グリコカリックス / 血管内皮傷害 |
Outline of Research at the Start |
感染症をはじめとしてあらゆる疾患で、重篤となると全身の血管が傷害され、その結果として様々な合併症が生じます。血管傷害とはその内腔の傷害、とりわけその表面を覆うグリコカリックス傷害であると言われていますが、まだ十分にわかっていません。本研究では、その傷害を抑制、さらに回復する可能性をもつリコンビナントロンボモジュリンの治療効果を明らかにし、これまでにない新しい治療法の開発をすることを目的としています。
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Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は2019年度から継続して、血管炎モデルマウスに対するリコンビナントトロンボモジュリンFull length (rTM) のグリコカリックス(eGC)増生効果に着目し、肺以外の臓器の増生効果と関連遺伝子について研究を行った。 まず10週令のC57BL6マウスにLipopolysaccharaide (LPS) 20㎎/kg腹腔内投与し、血管炎モデルマウスを作成。生理食塩水、rTMをそれぞれ腹腔内投与し、心臓からRNAを抽出、Agilent Expression Arrayを使用してマイクロアレイ分析を行った。結果、硫黄化合物の異化プロセスに関連する遺伝子セットであるGene set enrichment analysis(GSEA)の遺伝子オントロジーおよび京都遺伝子ゲノム百科事典 (KEGG) 分析、クエン酸回路 TCA 回路、ピルビン酸代謝、および心臓伝導による心拍数の調節能が、生理食塩水投与したマウスよりも rhTM治療マウスで有意にアップレギュレートされた。これにより、有酸素代謝が心臓で強化され、心拍数と心臓伝導を調節する遺伝子セットに影響を与えることを明らかにした。硫黄化合物異化過程遺伝子セットでは、rhTM投与によりeGCのコア蛋白の一つであるグリピカン-1が促進された。免疫組織化学染色でもLPS投与により逸脱したグリピカン-1がrTMの投与により修復された。つまり、rTMは心臓の血管内皮保護だけでなく、eGC増生にも密接に関連していることが分かった。そして、この結果は2019年に報告した肺でのrTMの治療効果解析と異なる遺伝子が促進されており、これは同型の連続型毛細血管をもつ臓器でもeGCの構成成分が異なり、同薬剤でも臓器によって促進される遺伝子が異なる可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初申請時には予定されていなかった海外留学のため、実験が中断されたことにより、実験系の再開に時間を費やした。リコンビナントトロンボモジュリンのD1, D2ドメインの提供料も実験に影響した。またCOVID-19パンデミックにより、複数名同時に研究員が参加することが難しくなったことも影響した。今後、リコンビナントトロンボモジュリンのD1, D2ドメインそれぞれの解析を進めていく。
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Strategy for Future Research Activity |
2019-2022年度は心臓、肺のFull lengthリコンビナントトロンボモジュリンによる血管内皮グリコカリックスの保護、増生効果について解析した。臓器による増生効果の違いは、臓器ごとの血管内皮グリコカリックスの構成要素、機能の違いを根本から明らかとする可能性があり、次年度以降も他の臓器の解析を進めていく。同時にFull lengthのリコンビナントトロンボモジュリン投与によるグリコカリックス保護、増生効果がいずれのドメインの作用で起こるのか解析を行っていく。
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Report
(3 results)
Research Products
(4 results)