植民地期朝鮮における思想史研究の基礎構築(1):民族改良・実力養成・自治論
Project/Area Number |
18K12214
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 01040:History of thought-related
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
柳 忠熙 福岡大学, 人文学部, 准教授 (90758202)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2020: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2018: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 朝鮮知識人 / 崔南善 / 李光洙 / 尹致昊 / 朝鮮的なもの / ナショナリズム / 近代朝鮮文学 / 近代朝鮮思想 / 植民地朝鮮 / 戦争協力 / 少年雑誌 / 民族改良論 / 実力養成論 / 自治論 |
Outline of Annual Research Achievements |
①個人研究:今年度は、「戦時期における崔南善のアジア認識と〈朝鮮的なもの〉」というタイトルで研究論文を投稿し、2022年12月に掲載された。植民地時代における尹致昊の植民地支配に関する認識についても研究を進めた。
②研究ネットワーク構築:2022年10月21日・22日に韓国と福岡を含む日本国内の研究者(高榮蘭氏[日本大学、教授]、金志映氏[韓国・淑明女子大学校、助教授[HK教授]]、高橋梓氏[新潟県立大学、専任講師]、中川侑氏[九州大学、大学院生・博士課程])とともに、オフラインとオンラインで講演会(21日)と若手研究会(22日)を行った。高榮蘭氏の講演会は、日本における日本語文学・移民についてのものだった。また若手研究会ではほかの三名の研究発表が行われ、植民地朝鮮の日本語創作、在日コリアン文学、韓国現代SF文学に関する話だった。 2023年2月16日には、韓国・日本国内の多数の研究者が集まった国際シンポジウムを行った(共催:基盤研究B[20H01252]、基盤研究B[20H01222])。今回は、日本における韓国・朝鮮文学研究の歩みに関する座談会(計5名)、日本国内の若手研究者と韓国の成均館大学・高麗大学の若手研究者との研究発表会(計7名)という二つの企画で行われた。今年度も韓国と日本国内、九州地域の研究者との交流を行うことができ、本科研プロジェクトの研究ネットワークの充実化を図った。
③アーカイブ作業:すでに初訳を終えた1900年代~1920年代の李光洙の論説(訳者:金景彩氏、閔東曄氏、監訳:波田野節子氏)に関する解説を作成するために同時期の李光洙の人生と思想について研究を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
①個人研究:李光洙と尹致昊の1920年代の思想と活動に関する研究も昨年度よりは進められた。とくに、崔南善の研究を戦時期に拡大して行った研究を公刊できたことは評価できる。
②国際研究ネットワークの構築::本科研プロジェクトの開始後より若手研究会を軸とする国際研究ネットワークの構築は順調に行われている。今年度はイベントを二回(a. 講演会・若手研究会、b. 国際シンポジウム)開催しており、日韓の韓国学研究者の交流とともに隣接分野との研究交流の充実化が確認できた。とくに国際シンポジウムにおいては、これまで研究会に参加した若手研究者らの研究発表セッションを企画し、本プロジェクトのこれまでの成果と発展を確認することができた。また、韓国の成均館大学の大学院生を中心とするセッションを企画し、今後成均館大学との研究交流の土台が構築できた。今回はオフラインでイベントを開催したこともあり、研究者間に十分な意見交換を行い、また互いの問題意識を共有することができたことも評価できる。
③アーカイブ作業:植民地期における朝鮮知識人の文章のアーカイブ作業は、李光洙の1900年代~1920年代における文章を研究者らの協力を得て行い、公刊のために解題の作成している。そのため、李光洙に関する研究を進めている。ただ、李光洙に関するアーカイブは3回にわたって公刊する予定で、今年度1回目の文章を投稿する予定だったができなかった。また尹致昊と崔南善の場合、研究は進められているものの、アーカイブ作業はほぼ進捗がない状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
本科研プロジェクトは研究計画としては昨年度(2021年度)が最終年度で今年度に延長をした。またコロナ禍などの理由で次年度(2023年度)に再延長をした。このような経緯を踏まえ、これまでと同様、次年度にも引き続き、①個人研究 ②国際研究ネットワークの構築 ③アーカイブ作業を行う。 ①個人研究:2023年度の後半に国際ワークショップを計画しており、その場で本プロジェクトの研究協力者とともに研究発表を行う予定である。そのとき、今年度に行った尹致昊の1920年代の活動、とくに日本の植民地統治に関する態度について発表する予定である。現状としては、尹致昊の日記と文章を中心に、植民地統治と〈朝鮮的なもの〉の位置づけなどに注目して発表を準備する。また研究発表後には韓国語で公刊する予定である。すでに日本語で発表した研究成果をも含めて、韓国語での公刊作業を行う予定である。
②国際研究ネットワークの構築:2023年度には後半(2023年10月頃)に本プロジェクトの研究協力者を中心とする国際ワークショップを行う予定である。研究協力者との研究交流を深めると同時に、これまでの本プロジェクトの成果を互いに確認する。また、今後新たなプロジェクトの設計する際の協力体制など、今後の研究ネットワークの可能性も確認する。
③アーカイブ作業:現在、尹致昊の日記以外の李光洙・崔南善の文章の日本語翻訳は終わっている。ただ崔南善の文章の公刊作業および尹致昊の日記を訳する作業は、2023年度が最終年度ということもあり、個人研究と李光洙のアーカイブの公刊作業とともに行うことは難しいと判断し、李光洙の文章の公刊を優先的に行う予定である。李光洙のアーカイブは、3回にわたって公刊する予定であり、解説の作成が終わり次第、順次に投稿を行う予定である。
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Report
(5 results)
Research Products
(29 results)