Project/Area Number |
18K13138
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 09030:Childhood and nursery/pre-school education-related
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Research Institution | Okazaki Women's Junior College |
Principal Investigator |
丸山 笑里佳 岡崎女子短期大学, 幼児教育学科, 准教授 (30708946)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2020: ¥130,000 (Direct Cost: ¥100,000、Indirect Cost: ¥30,000)
Fiscal Year 2019: ¥130,000 (Direct Cost: ¥100,000、Indirect Cost: ¥30,000)
Fiscal Year 2018: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
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Keywords | あやし行動 / 乳児 / 観察学習 / motherese |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、母親が乳児と関わる様子を観察することが乳児との関わり方を学ぶ機会となるか、観察学習の効果を実証的に、実験場面の観察から検証することである。被験者の女子大学生は、乳児とほとんど関わった経験のない学生であり、定頸している3~4か月の乳児との接触体験を5分間、2回行った。接触体験1回目と2回目の間に、母親と乳児が関わる様子を撮影した映像資料を視聴する「観察あり群」と、視聴しない「観察なし群」の2グループに分け、あやし行動および語りかけについて、両群の接触体験1回目と2回目の違いを比較することで、観察による学習効果の検討を行った。 乳児と関わった経験のほとんどない女子大学生のあやし行動および語りかけは、個人差が大きく見られた。乳児が仰向けの状態から、抱っこや支座位に姿勢を変えてあやし行動を行った学生は20.0%だった。乳児を抱っこすることに躊躇し、抱っこに至らない様子が複数の学生で観察された。あやし行動として多かったのは、「手を揺らす」73.3%、「乳児の手を握る・触る」66.7%、「乳児の体に触る」60.0%だった。 「観察あり群」の1事例を取り上げると、母親と乳児の映像を見て「繰り返し」と「声掛けの多さ」に注目していた。2回目の接触体験ではくすぐり遊びを繰り返し行っており、身体接触やふれあい遊びのやり方を映像資料から取り入れていた。終了後のインタビューでは、顔を近づけて接することを意識していたことが語られた。映像資料を参考に関わっていたこと、観察で印象に残った関わり方を実施に乳児と関わる際に実践し、子どもの反応を確かめることで、応答的なかかわりが実感できる経験になっていたことが示唆された。 今後は、接触経験によって増えるあやし行動および語りかけと、観察(ビデオ視聴)によって増えるあやし行動および語りかけを明らかにするために、分析を進める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究の実施初年度、調査実施にあたり、本研究の関連分野における他研究者との意見交換を行い、実験開始にあたり予備調査を実施する必要があること、「観察あり群」において、乳児との接触体験1回目と2回目の間に母親と乳児が関わる様子を撮影した映像資料を視聴するという本研究の計画では、この映像資料が極めて重要であるという認識に至った。そのため、複数の母子の、様々なあやし行動や声かけが含まれた形の、本研究独自の映像資料の作成を行うよう計画の変更を行った。さらに、2019年度7月~2020年度10月までの産前産後・育児休業取得に伴い、2018年度後半から妊娠に伴う体調の不良等で、研究計画を進めることが困難であった。さらに、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、乳児と対象学生とが近距離で接する本研究は新規調査を行うことが困難だった。本研究の対象乳児が3~4カ月であることに対して、小児用ワクチンの適応が6か月以降だったこともあり、引き続き、新しくデータ収集を行うことが難しかった。他研究者との意見交換や助言を受け、本来は30名程度の学生と乳児とのビデオ撮影およびインタビュー調査を行う予定であったが、現在ある15名のデータでの分析・検討を進めているところである。加えて、動画の取り扱いや分析ソフトの使い方等に習熟していなかったこと、本務校での業務の増大、家族の入院も計画の遅延の原因として挙げられる。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の調査実施状況としては、2019年12月~1月に、研究者の実子と、15名の学生との関わりのビデオ撮影を行っている。本来であれば、30名の学生と乳児の関わりについて、ビデオ撮影およびインタビュー調査を行う予定であり、研究期間再開後、調査の継続した実施を行い、対象者数を目標まで増やすことが望ましかった。30名程度という人数の根拠としては、量的な検討が最低限行えるということから人数を設定していた。 乳児と対象学生とが近距離で接する本研究は、コロナ禍では調査を行うことが困難であり、本来の計画に比べて半数のデータ収集となっていた。本研究の対象乳児が3~4カ月であることに対し、小児用ワクチンの適応が6か月以降だったこともあり、新しくデータ収集を行うことは難しかった。 専門家との意見交換や助言を踏まえ、今後の研究の推進方策としては、15名の学生と乳児との関わりについて分析を進め、結果をまとめることを中心に進めていく。これまで行ったあやし行動および声かけの分析では、1回目の接触体験の時点で、乳児への関わりに個人差が大きいことが明らかとなっている。個人差を考慮しながら、接触経験によって増えるあやし行動および語りかけと、観察(ビデオ視聴)によって増えるあやし行動および語りかけを明らかにするために、検討を進める予定である。また、あやし行動や語りかけが多いことがよいというわけではなく、乳児の反応を待つこと、乳児に応答的に関わっているかなどをどのように評価できるか、量的な検討だけではなく、質的な検討についても丁寧に行っていく必要があると考えている。
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