2019 Fiscal Year Research-status Report
女子大学生を対象とした、乳児に対するあやし行動の観察学習の効果検証
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18K13138
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Research Institution | Okazaki Women's Junior College |
Principal Investigator |
丸山 笑里佳 岡崎女子短期大学, 幼児教育学科, 准教授 (30708946)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | あやし行動 / 乳児 / 観察学習 / motherese |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、母親が乳児と関わる様子を観察することが乳児との関わり方を学ぶ機会となるか、観察学習の効果を実証的に、実験場面の観察から検証することである。被験者の女子大学生を、乳児との接触体験を2回行う「観察なし群」と、乳児との接触体験1回目と2回目の間に、母親と乳児が関わる様子を撮影した映像資料を視聴する「観察あり群」の2グループに分ける。女子大学生による乳児へのあやし行動および語りかけについて、接触体験1回目と2回目の違いを両群で比較することで、観察による学習効果の検討を行う。 2018年度事業報告書に記載した通り、当初の研究計画から変更を行う必要が生じ、2019年度では、計画を変更した形で研究を実施した。具体的には、本計画では、「観察あり群」において、乳児との接触体験1回目と2回目の間に母親と乳児が関わる様子を撮影した映像資料を視聴するという計画であるが、本研究を実施する上ではこの映像資料が極めて重要であることから、本研究独自の映像資料の作成を行うこととした。 産前産後の休暇、育児休業の取得に伴う研究中断期間に入る2019年7月まで、2018年度に引き続き、本学親と子どもの発達センターを利用している、本研究の対象となる月齢である3~4か月のお子さんの保護者に依頼を行い、本調査の実験で使用するための映像資料の制作に向けて、母親と乳児が関わる様子の撮影を行った。6組の親子の映像の撮影を行い、本調査で使用する映像資料の作成を行った。これによって、「観察あり群」の女子大学生が、一組の母子の関わり方だけではなく、複数の母子の、さまざまな関わり方を観察することが出来るようになり、本研究の映像資料として重要であったと考えている。また、本調査に向けての準備を進めることが出来た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究の実施初年度、調査実施にあたり、本研究の関連分野における他研究者との意見交換を行い、実験開始にあたり予備調査を実施する必要があること、「観察あり群」において、乳児との接触体験1回目と2回目の間に母親と乳児が関わる様子を撮影した映像資料を 視聴するという本研究の計画では、この映像資料が極めて重要であるという認識に至り、複数の母子の、様々なあやし行動や声掛けが含まれた形の、本研究独自の映像資料の作成を行うという計画の変更を行った。 2019年度は、実験で使用するための映像資料の制作に向けて、母親と乳児が関わる様子の撮影を行い、6組の親子の映像の撮影を行った。そこから、本調査で使用する映像資料の作成を行った。 計画当初から、研究計画の変更を行ったこと、さらに、妊娠に伴う体調の不良等から、変更となった研究計画を早く進めることは困難であったため、研究の進捗状況としてはやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度は、様々なあやし行動や声掛けを含める形で、本調査で使用する映像資料の作成を行った。研究再開後は、予備調査および映像資料作成のための親子の映像から、母親のあやし行動や声掛けの分析を行う。また、並行して、本調査の実施を行う予定である。 本研究は、女子大学生および乳児・保護者という、ヒトを対象とした研究である。また、乳児と女子大学生の関わりを映像で撮影するという実験計画であるため、実験対象者同士の関わりが近距離になることは避けられない。新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、研究再開後、すぐに本調査を実施できる状況であるかどうかは、今後の感染収束の状況を見ながら判断していく。表情の分析等を行うために、女子大学生が撮影を行う際にはマスクの着用を行わない方が望ましくはあるが、マスクを着用した上で調査を実施しすることも視野に入れて検討を行う。また、乳児と接する前には手洗いを実施すること等を徹底する。 2018年度に実施した予備調査にて、実験協力者を見つけることや、学生と乳児・保護者とのスケジュールの調整の課題も明らかとなった。実験参加者である学生および対象の乳児・保護者とのスケジュール調整が円滑に行えるよう、検討が必要である。対象の学生については、保育者養成校である岡崎女子短期大学・岡崎女子大学の学生は、実習や就職活動、さらに、アルバイト等の予定が重なることが多い。また、新型コロナウイルス対応のための緊急事態宣言に伴い、授業の日程が大幅に変更となっているため、岡崎女子短期大学・岡崎女子大学の幅広い所属・学年の学生に実験参加協力依頼を行う予定である。実験参加協力依頼を行った学生と保護者のスケジュールの調整の詳細は、今後検討していく予定である。
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Causes of Carryover |
計画の遅れに伴い、本調査の実施が次年度以降になるため。また、妊娠に伴い、当初計画していた学会への参加をすることが難しかったため。 今後、本調査を行うことで、本調査を行う際に使用する予定だった予算を使用する。また、学会参加は、新型コロナウイルスによる開催中止等も考えられるため、復帰後、関連学会の動向を見ながら判断する。
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