モンスーンアジアに息づく「遊び仕事」の再評価とその現代的活用
Project/Area Number |
18KK0326
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Research Category |
Fund for the Promotion of Joint International Research (Fostering Joint International Research (A))
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Field |
Science education
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Research Institution | Miyagi University of Education |
Principal Investigator |
溝田 浩二 宮城教育大学, 教育学部, 教授 (00333914)
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Project Period (FY) |
2019 – 2023
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥15,340,000 (Direct Cost: ¥11,800,000、Indirect Cost: ¥3,540,000)
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Keywords | モンスーンアジア / 遊び仕事 / 在来知 / 環境教育 / ESD / 現代的活用 / ラオス |
Outline of Research at the Start |
本研究では、モンスーンアジアに息づく「遊び仕事」の豊かな世界を明らかにし、そこに内包されている<在来知>をあぶりだすことによって「遊び仕事」を再評価し、新たな環境教育の構築に挑む。その目的を達成するために、2020年3月下旬から2021年3月中旬にかけての12ヶ月間、ラオス人民民主共和国の中部平野地帯(ビエンチャン周辺の水田地帯)ならびに北部山岳地帯(シェンクワン県の森林地帯)を主要な調査フィールドとして、市場における有用動植物の調査、「遊び仕事」に関するフィールド調査、「遊び仕事」の再評価とデータベース構築、に取り組む。
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Outline of Annual Research Achievements |
巨大な人口を抱えた地球全体で進む急速な近代化と豊かな自然環境の保全との調和は、正解のないきわめて困難な問題である。稲作文化を基層においたモンスーンアジア地域には、稲作という生業を基本として多様な「遊び仕事(副次的・周縁的生業、マイナー・サブシステンス)」が展開されており、そこに内包される徹底した循環思想、持続可能な生物資源利用の知恵や技術は、世界的な人口問題・環境問題の解決へのひとつの糸口となりうる。本研究では、モンスーンアジア地域で営まれている「遊び仕事」の豊かな世界を明らかにし、そこに内包されている<在来知>をあぶりだすことによって「遊び仕事」を再評価し、新たな環境教育/ESDの構築に挑む。具体的には、ラオス人民民主共和国のビエンチャン県(水田地帯)およびシェンクワン県(森林地帯)を主要なフィールドとして、①市場における有用動植物資源の調査、②フィールドにおける「遊び仕事(山菜・キノコの採集、川や水田での漁撈、在来ミツバチの伝統養蜂、食用昆虫の採集・養殖など)」に関する調査、③「遊び仕事」の再評価とデータベース構築、の3点に取り組む。2020年度、2021年度は新型コロナウィルス感染症の影響によりラオスへ渡航することができなかったものの、2022年度(2023年3月)にラオス渡航が実現し、現地でのフィールド調査に着手しはじめた段階である。ラオス国立農林業研究所のセンドゥアン研究員による全面的なサポートもあり、入国直後から①および②の現地フィールド調査を円滑かつ順調に進めることができている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2020年度から2021年度は新型コロナウィルス感染症の影響によりラオスへ渡航することができなかったものの、その期間もカウンターパートと連絡を取り合いながら、現地のコロナウィルス蔓延状況の把握、研究内容の打ち合わせ、ラオスにおける「遊び仕事」に関する情報・資料の収集、現地調査に必要な物品調達などの研究準備を進めてきた。そうした下準備を時間をかけて進めるてきたこともあり、2023年3月からラオス国立農林業研究所のセンドゥアン研究員とともに、ビエンチャン県(水田地帯)およびシェンクワン県(森林地帯)を主フィールドとして、①野生市場における有用動植物資源の調査、②フィールドにおける「遊び仕事(山菜・キノコの採集、川や水田での漁撈、在来ミツバチの伝統養蜂、食用昆虫の採集・養殖など)」に関する調査を順調に進めることができているため。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は、野生市場で取引されている「遊び仕事」由来の産品を糸口として、ラオスや日本の「遊び仕事」に内在する<在来知>を明らかにし、その現代的な活用(環境教育/ESDの構築)を目指すものである。その研究目的を達成する上で最も基本的かつ重要なものが、野生市場でみられる多彩な「遊び仕事」由来の産品の名前(学名、ラオス名・英語名・日本名)、採集場所、採集時期、採集方法、調理方法、活用方法などの情報である。野生市場やフィールドに足繁く通い、集中的・網羅的に情報を収集・整理してデータベース化する作業に取り組みながら、ラオスの市井の人々や多様な分野の研究者、教育者らとの交流を重ね、ラオスおよび日本の風土に即した<在来知>を基盤とした環境教育の構築に取り組んでいく。
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Report
(4 results)
Research Products
(12 results)