「脱リン酸化」の視点から見る腫瘍細胞機能修飾の分子病理に関する萌芽的研究
Project/Area Number |
19659088
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Human pathology
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
居石 克夫 Kyushu University, 大学院・医学研究院, 教授 (70108710)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古賀 孝臣 九州大学, 大学病院, 講師 (70380615)
中川 和憲 九州大学, 大学院・医学研究院, 講師 (50217668)
岡野 慎士 九州大学, 大学病院, 医員 (10380429)
鬼丸 満穂 九州大学, 大学院・医学研究院, 助教 (00380626)
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Project Period (FY) |
2007 – 2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2008: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | 脱リン酸化 / フォスファターゼ / 細胞周期 / 癌抑制遺伝子 / ユビキチンリガーゼ / 上皮間葉移行 |
Research Abstract |
本研究の目的は、「脱リン酸化」をオフシグナルの情報として捉えつつ、その腫瘍病理における意義について検証することである。まず、本年度は、正常および肺腫瘍培養細胞におけるフォスファターゼDEP-1発現と上皮間葉移行(EMT)との関連性、リン酸化シグナル抑制とp27の分解制御、腫瘍増殖におけるMAPKシグナルの影響と細胞周期関連因子の動態、について細胞生物学的・病理学的に検討し、以下の結果を得た。 各種培養細胞株(肺大細胞癌3株、腺癌6株、扁平上皮癌7株、中皮腫3株ほか)を用いた遺伝子発現プロファイリングでは、正常気管支上皮細胞に比較してEカドヘリンのアンタゴニストFXYD5の発現亢進を認めたが、プロモーター領域にE-Box配列があるもののEMTの制御因子の一つとされるTwist発現動態との明確な関連や接触阻害に関わるDEP-1発現に関連はなかった。また、「脱リン酸化」状態の擬似的再現として、UO126によるERKのリン酸化抑止による細胞機能の変化(細胞増殖、および細胞周期への影響)を検討したところ、UO126は、A549の細胞増殖を抑制し、G1期休止を用量依存的に誘導し、リン酸化Erkの消失に連動してp27タンパクを過剰に蓄積させた。これらは、p27のmRNA発現亢進、ユビキチンリガーゼSkp2の発現低下傾向の所見と一致した。ただし、Erkリン酸化レベルとp27分解制御因子CAND1、分解促進因子であるKPC1、UBE2Mの挙動については有意な関連を認めなかった。然し乍ら、肺腺癌におけるCAND1の免疫組織化学的検討では、CAND1発現が分化度と相関し、またp27発現と相関する傾向があり、臨床病理学的示標としての有用性が期待された。
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Report
(2 results)
Research Products
(17 results)