Outline of Final Research Achievements |
体育科の授業を通して, 子どものレジリエンスを育む可能性を探求した。うまくいかないことやできないこと(逆境)に遭遇しても何度も試行錯誤し, 主体的に運動に関わろうとする力を, 「チーム学習」を取り入れた体育科の授業を通して高める。仲間との関わりの中で, 以前よりもよくなった, できるようになったと実感できる体育授業での成果が, 子どものレジリエンスを育むことにつながり, 多様な運動との関わり方を保障することになることが明らかになった。
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Academic Significance and Societal Importance of the Research Achievements |
レジリエンスは子どもの生活全体を通して高めていくもので, 体育科の授業改善だけでレジリエンスが高まるとは言えなかった。ただし, 次の学術的意義が認められた。つまり, 体育科の授業にチーム学習を取り入れることで, レジリエンス要因のうち, 友達と助け合ったり, 励まし合ったりするソーシャルサポート因子が高まることや, 「する・みる・支える・知る」といった運動に主体的に働きかける力が育まれることがわかった。さらに, 子どものレジリエンスという学校教育全体で育成すべき資質・能力に関して, 体育科が貢献できる領域を明確化するという点で, 社会的意義が認められた。
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