Project/Area Number |
19H01316
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 03030:History of Asia and Africa-related
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
塩谷 哲史 筑波大学, 人文社会系, 准教授 (30570197)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
地田 徹朗 名古屋外国語大学, 世界共生学部, 准教授 (10612012)
久米 正吾 金沢大学, 古代文明・文化資源学研究所, 特任助教 (30550777)
植田 暁 独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所, 新領域研究センター グローバル研究グループ, 研究員 (30848859)
宗野 ふもと 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 特任研究員 (30780522)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥7,020,000 (Direct Cost: ¥5,400,000、Indirect Cost: ¥1,620,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | ヒヴァ・ハン国(ホラズム) / 灌漑史 / 中央アジア / アラル海流域 / 定住民と遊牧民の相互関係 / ヒヴァ・ハン国 / 水利史、灌漑史 / ウズベキスタン / 史料研究 / フィールドワーク / 水利灌漑 / 日本と中央アジアの水利史比較 / 中央ユーラシア史 / 在来知 / 水利 / 定住民と遊牧民 / 遊牧民の定住化 / 中央ユーラシアの周縁化 / 水利史 / 中央ユーラシア / 遊牧民と定住民の相互関係 / ホラズム / 社会主義的近代化 / ロシア帝国 / ソ連 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、中央アジア最大のオアシス地域の一つであるホラズム地方を対象地域として、16-20世紀の水利と社会変動との関わりを明らかにする。この時期の中央アジアは、ウズベク遊牧集団の征服とその後の長期間にわたる定住化、1860年代後半から本格化するロシア帝国の軍事征服とその後のロシア・ソ連による支配、ソ連期の社会主義的近代化にともなう開発により、たびたび社会変動に直面した。本研究は、水資源をめぐるオアシス内での定住民と遊牧民との関係の変化、ロシア帝国・ソ連両政府主導の大規模灌漑事業の現地社会への影響、ソ連期の遊牧民の定住化政策や灌漑事業が現地社会の集団間関係に与えた影響を考察する。
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Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、依然として新型コロナウイルス感染症拡大の影響から海外調査が難しい状況が続いていたため、国内の史資料調査と関連分野の研究者間の連携強化に努めた。前者については、東洋文庫、東京大学史料編纂所等で関連史資料の調査を行うとともに、中央アジアの水利史研究を、日本の近世・近代水利史研究の成果に照らして検討し、新たな研究視角を発掘する作業を行った。また後者に関しては、アジア経済研究所基礎理論研究会を舞台に、国内で中央アジア各地の水利史研究を行う研究者と意見交換を行った。 こうした活動の成果の一部として、水利史、ホラズム地方史、史料研究に関連した以下の論文を刊行できた。 Shioya, Akifumi, "Shiite Captive Release Negotiations in Khiva: A Nexus of Khivan-Iranian and Anglo-Russian Relations," Acta Slavica Iaponica, 43, pp.73-93, 2023. Shioya, Akifumi, "Islam and the Nomadic Political Tradition in the 19th-Century Khanate of Khiva," Oriente Moderno, 102, pp.68-87, 2022. 塩谷哲史「19 世紀ヒヴァ・ハン国の年代記」野田仁編『近代中央ユーラシアにおける歴史叙述と過去の参照』東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所, 93-106頁, 2023年. 塩谷哲史「ラクダと都市が支えた草原の移動―18~19世紀の中央アジアとロシア―」今村薫編『中央アジア牧畜社会―人・動物・交錯・移動―』京都大学学術出版会, 60-81頁, 2023年.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現地調査の進展にはやや遅れが見られるものの、その分を国内の史資料調査、日本の水利史研究の豊かな成果の参照、関連分野の研究者との連携強化を通じて補うことができた。また英語査読論文の刊行を通じて国際的に研究成果の一端を発信できた点も、今後国際的共同研究の基盤を構築する上でプラスに働くであろう。2016年前後から、欧米の学界において中央アジア近現代の水利・灌漑史研究の分野では単著の刊行が相次いだが、その多くは対象時期を19世紀末から20世紀にかけてに限っているため、19世紀以前を視野に入れた本研究課題の独自性と価値が発揮されていると言える。その点を踏まえても、研究成果の国際学術誌への刊行は意義があったと考えらえる。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は研究計画の最終年度に当たるとともに、本研究計画と連動した研究課題「近現代中央アジアにおける水利と社会変動―ホラズム地方を中心に―」(国際共同研究強化(A))の海外調査を実施予定である。そのため、研究成果の公表と国内外の研究者との連携強化を進める。前者に関しては、中央アジア灌漑史の単著刊行に向け、関連史資料の読解・整理をこれまで同様進めていく。後者に関しては、国内で中央アジアの水利史を専門とする研究者に本研究課題の分担者に加わっていただき、国外では国際共同研究強化(A)の研究課題の共同研究者との連携を強化し、さらに国内の自然科学分野から中央アジアの水利を専門とする研究者グループとの共同研究を実施する。これらを通じて、国際性、学際性、持続性を持つ中央アジアの灌漑史・水利史研究の基盤を構築する。
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