Project/Area Number |
19H01790
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 12010:Basic analysis-related
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
角 大輝 京都大学, 人間・環境学研究科, 教授 (40313324)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中西 敏浩 島根大学, 学術研究院理工学系, 教授 (00172354)
佐藤 譲 北海道大学, 電子科学研究所, 准教授 (30342794)
上原 崇人 岡山大学, 環境生命自然科学学域, 准教授 (40613261)
諸澤 俊介 高知大学, 教育研究部自然科学系理工学部門, 教授 (50220108)
イェーリッシュ ヨハネス 名古屋大学, 多元数理科学研究科, 准教授 (90741869)
和田 昌昭 大阪大学, 大学院情報科学研究科, 名誉教授 (80192821)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥17,420,000 (Direct Cost: ¥13,400,000、Indirect Cost: ¥4,020,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
Fiscal Year 2020: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2019: ¥6,240,000 (Direct Cost: ¥4,800,000、Indirect Cost: ¥1,440,000)
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Keywords | ランダム複素力学系 / ランダム力学系 / 正則写像半群 / フラクタル / ランダム性誘起現象 / 力学系 / ジュリア集合 / ランダム緩和ニュートン法 |
Outline of Research at the Start |
(A) ランダムな実および複素力学系、(B) 写像の半群の力学系、多価写像の力学系、(C) フラクタル幾何学の研究を行う。「力学系理論」では、物事がある規則に従って時間とともに変化する様子を探るが、自然界や社会現象ではランダム項が存在するので、その規則がランダムに変化するようなランダム力学系の研究が必要となる。ランダム性がもたらす新しい現象の発見とそのメカニズムの解明を行う。それに関連して多価写像の力学系やフラクタルの研究を行うことが重要である。それらを全て合わせて総合的に多角的に研究を行っていく。
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Outline of Annual Research Achievements |
角は高次元ランダム複素力学系の研究を行い、一次元と同様に、一つの正則写像の反復合成による力学系では起こりえないような多くの新しい現象について考察することができた。特に複素2次元のレギュラー多項式写像のランダム力学系のほとんどのものは、「平均安定性」という著しい秩序性を持つことを示し、複素2次元における平均安定性の議論を開拓した。ここで、複素高次元特有の難しさが現れるのだが、それをうまく乗り越える技術を開発することに成功した。また、独立同分布とは限らないマルコフ的ランダム複素力学系の平均安定性に関する様々な研究を行って複数の結果を得た。さらに、非有界多項式列のジュリア集合の非一様完全性などの、通常の一つの多項式の反復では起こりえない新しい現象を詳しく研究して複数の結果を得た。これらの結果について複数の研究集会で発表するなどした。 上原は有理曲面上の双有理写像に対して, その力学系の複雑さを表す力学系的次数全体のなす集合の構造について得ていた結果をさらに深化させることに成功した。 中西はいくつかの曲面群のフックス群表現に具体的な行列表示を与えてそれをタイヒミュラー空間やクライン群論に応用し、特に円周上の曲面束の構造をもつ双曲多様体の具体例をいくつか見つけることに成功した。 諸澤はinner composite functions の力学系の研究を行った。イエーリッシュは双曲的曲面の測地流に付随するBowen-Series写像の熱力学気的形式と大偏差原理などについて研究を行い多くの結果を得ることができた。 また佐藤はランダム力学系と確率微分方程式で生じる確率カオスと関連する非線形確率現象を研究して結果を得て、さらに計算機援用証明のライブラリ開発も行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウイルス流行の影響で令和3年度は研究集会の数が減り、研究集会が開かれてもオンラインで行うことも多く、情報を入手することが難しくなっていた。しかし令和4年度に入って時が経つにつれて対面での研究集会の数が増え始め、徐々に情報を入手し交換することが可能になってきた。それに合わせるようにして研究代表者と研究分担者の研究が少しずつ進み始めるようになってきた。新しい研究成果を発表することができるようになってきているし、それをまとめて論文を執筆することもできはじめている。 具体的には、角によって、複素2次元レギュラー多項式写像のランダム力学系のほとんどで平均安定性が成立する結果や、複素2次元での平均安定性の理論の結果が多く得られ、それらをオンライン国際集会や対面国内集会で招待講演として発表することもできている。また、佐藤と角がランダム力学系の対面による研究集会を開催することもできるようになってきており、そこで自らの情報を発信しつつ、他者の研究結果等の情報をよくつかめるようになってきている。そのランダム力学系研究集会では海外から2名の研究者を招聘して最新の研究情報を得ることもできた。 上記のように、オンライン研究集会の折であっても議論をなんとか行うこともできて、また、少しずつ対面研究集会が増えてきたので、そこで情報交換をすることがそれなりにできたと考えている。 そして研究成果を論文にまとめたものを出版することもできている。 以上のことからおおむね順調に進展していると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
コロナ渦はほぼ収まりつつあるので、積極的に国内外の研究集会に出かけ、研究代表者および研究分担者の相互の対面での行き来を増やし、かつそれぞれの研究に関わる共同研究者との打ち合わせを増やして、研究全体の深化を図っていく。 具体的には、角が行っているランダム複素力学系に関して、まず非自励系多項式力学系における新現象を考察する研究については、アメリカのM.Comerford,R.Stankewitzと連絡を取りながら、国際研究集会で対面で会って、アイデアを発展させて、新しい現象をさらに発見して考察を深めていく。また、2次元のランダム緩和ニュートン法については、一橋大の川平友規氏や、ノルウェーのTrung Tuyen Truong氏をはじめとする国内外の研究者と対面研究集会で会って議論を重ねていく。角とイエーリッシュらによるマルコフ的複素力学系のジュリア集合のハウスドルフ次元とハウスドルフ測度の研究については、実際に互いに行き来を行いながらシステムに付随するPeron-Frobenius作用素の解析等の理論を発展させていく。また、中西と連絡を取り合い、行き来をしてお互いの知識の基本的な事柄を相互に伝達しあいながら、リーマン面の写像類群の(ランダム)力学系的理論の構築を図る。 さらに、上原とも連絡を取って、互いの持っている知識を基礎のところから伝達しあって、高次元の複素多様体上の正則自己同型写像によるランダム力学系的理論を構築していく。この理論構築を、中西と行うリーマン面の写像類群の作用の研究にも関係させていく。そして、佐藤とはランダム力学系理論の研究集会の共催などを通じて、互いに連絡を頻繁に取って、互いの大学を行き来しあいながら、ランダム力学系理論の理論と応用の連携についての研究を深めていく。 また以上のことについて、すでに得られている成果を論文にしていく。
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