Project/Area Number |
19H01959
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 17010:Space and planetary sciences-related
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Research Institution | National Institute of Polar Research |
Principal Investigator |
山口 亮 国立極地研究所, 先端研究推進系, 准教授 (70321560)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白井 直樹 神奈川大学, 理学部, 准教授 (00599805)
岡崎 隆司 九州大学, 理学研究院, 准教授 (40372750)
飯塚 毅 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 准教授 (70614569)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥17,030,000 (Direct Cost: ¥13,100,000、Indirect Cost: ¥3,930,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
Fiscal Year 2021: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2020: ¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2019: ¥5,460,000 (Direct Cost: ¥4,200,000、Indirect Cost: ¥1,260,000)
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Keywords | 分化隕石 / 初期太陽系 / エコンドライト / 原始惑星 / 火成作用 / 隕石 / 同位体 / 放射年代 / 原始太陽系 |
Outline of Research at the Start |
小惑星起源の隕石は、太陽系の原材料の生き残りとされるため、初期太陽系を理解するためには重要な試料である。本研究では、隕石の中でもエコンドライト(分化したケイ酸塩質隕石)に着目する。その加熱の度合い、原材料の元素組成、安定同位体、年代を網羅的に比較し、初期太陽系の組成構造やその進化過程の解明に迫る。
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Outline of Annual Research Achievements |
隕石などの惑星物質は、安定同位体組成から炭素質型と非炭素質型に分類されることがわかった。炭素質コンドライトを中心とするグループは原始太陽系の外側、それ以外の隕石や地球・火星は太陽系内側で形成したとされる (二分性モデル)。このモデルは一見、多くの隕石データを単純に説明できたように見えるが、少数のグループであるエコンドライト(分化隕石)を見たときに必ずしもそうとは言い切れない。本研究では、エコンドライトに着目し、初期太陽系の組成構造やその進化過程の解明に迫る。2021年度の主な成果は、内側太陽系起源(非炭素質)のエコンドライト(アングライト、ユークライト、安山岩質隕石)の組織解析や鉱物組成から、それらの母天体(分化原始惑星)の形成史についての検討を行なったことである。アングライトの化学組成や熱履歴に基づいて、マグマの冷却過程、また、固化した後の衝突過程を明らかにした。ユークライトはエコンドライトの中で最大のグループの一つである。ユークライト中のシリカ鉱物の産状から熱履歴が読み取れることを明らかにした。その熱履歴から、母天体(小惑星ベスタ)地殻は複雑な形成史を経ていることがわかった。2020年度から開始した安山岩質隕石の研究は引き続き進めている。新たに入手した試料の研究から、この隕石は組織的に多様であることがわかった。組織解析や鉱物の元素組成を検討することで、その隕石母天体の形成過程についての検討を行なった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
非炭素質エコンドライト(特にアングライトや安山岩質エコンドライト)の鉱物岩石学的研究においては進捗が見られた。内側太陽系における分化微惑星(非炭素質エコンドライト母天体)での火成作用、変成作用、および衝突過程に関するものである。その他の非炭素質エコンドライト(HED隕石、ユレイライト)の研究については遅れが見られる。ユレイライトなどの鉱物中の微量元素分析に関しては、分析装置故障のためほとんど進めることができなかった。揮発性元素については、手法開発の一部として、他の隕石種(炭素質コンドライトなど)の分析を行い、信頼度のあるデータを得ることができた。これは本テーマでの分析にそのまま適用できる。昨年度発見した、安山岩質エコンドライトについては、金属相の微量元素定量など、さらに詳細な分析を継続中である。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は、炭素質型、非炭素質型エコンドライトの組織解析と鉱物などの主要元素組成分析を引き続き進める。特に炭素質型エコンドライト(NWA 011グループなど)の組織観察と鉱物分析が遅れており、これを重点的に進める。昨年度、組織データや化学組成は熱的イベントの定量化については、原岩の化学組成などを考慮する必要があるため単純ではないという問題にぶつかった。この点については今年度も引き続き検討を進める。また、原岩の揮発性元素の欠乏度合いは、その後のプロセス(衝突、熱変成作用)に大きく影響されることが高いことがわかった。これらの問題点をさらに詳細に検討する必要がある。昨年同様、個々の隕石の組織、バルク・鉱物の主要・微量元素組成、同位体組成(Znなど)などのデータをまとめ、それぞれのデーターの関連性について詳細に検討する必要がある。研究成果は国内外の学会で発表する。
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