Project/Area Number |
19H03070
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 41030:Rural environmental engineering and planning-related
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
小林 幹佳 筑波大学, 生命環境系, 准教授 (20400179)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大澤 和敏 宇都宮大学, 農学部, 教授 (30376941)
大森 圭祐 国立研究開発法人国際農林水産業研究センター, 情報広報室, 室長 (80827139)
藤巻 晴行 鳥取大学, 乾燥地研究センター, 教授 (90323253)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥17,030,000 (Direct Cost: ¥13,100,000、Indirect Cost: ¥3,930,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2021: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2020: ¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2019: ¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
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Keywords | 土壌物理 / コロイド / 粘土 / 水環境 / レオロジー |
Outline of Research at the Start |
水食による土の劣化や汚染物質を伴う粘土の移動など,コロイドと呼ばれる微粒子の輸送が関係する農業・環境における諸課題が再認識されています。これらの課題を困難にする背景として,コロイドが電気を帯びること,互いに凝集する性質を持つこと,そしてこれらの性質が水質や流れなどの環境条件によって変化することが挙げられます。多様なコロイドと環境条件を想定したモデル実験と理論による分析を重ねることで,土壌・水環境に関わるコロイドの性質を明らかにして,土壌・水環境の保全技術の発展を目指します。
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Outline of Annual Research Achievements |
土壌劣化,災害,マイクロプラスチック,汚染物質のコロイド促進輸送,ナノ材料のリスク評価といった,コロイドおよびナノ粒子の特性を介する諸問題が認識されている.持続可能な食料生産基盤と農村環境を保全する観点から,コロイドの輸送挙動をより詳細に予測し制御する技術とその基盤となる科学の深化が必要となる.その実現に向けては,様々な溶液および流体条件において,ナノスケールのコロイド界面化学的特性と凝集分散特性を理解しマクロな農業工学的な対策技術と融合させることがポイントになる.これを踏まえてこれまでに実施し,本年度に論文として公表した成果の概略を以下に記す. 火山灰土中の代表的な粘土コロイドであるアロフェン粒子の臨界凝集イオン強度と有効電荷密度の関係が,特異的に吸着する陰イオンの存在下においても, DLVO理論で説明されることを示した.この結果は,多孔質な粒子のゼータ電位さらには有効電荷の実体を明らかにすることの重要性を裏付けている.高分子による粒子間相互作用のチューニングが,土壌のレオロジー特性の1つである剪断降伏値を通して,土壌の受食性に影響する実験結果を得た.この結果は粒子間相互作用とレオロジー特性の関係および高分子の機能を明らかにすることの意義を支持している.関連して,光ピンセットとマイクロ流体の技術を組み合わせた手法を提案し,流動場における粒子表面への高分子の吸着層厚さの時間発展をin situで得た.この手法を活用することで,様々な高分子の吸着動力学の研究が可能になる.さらに,高分子とナノ粒子の混合液が示す,剪断による粘度急増の発現に関して,高分子サイズと粒子間距離が支配因子となることを示唆するデータを得た.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定されていた通り,種々の溶液条件において,コロイドの帯電挙動を調べると同時に,様々な流れ環境において,凝集分散,流動特性に関する系統的な実験ならびに解析を進めた.さらに,高分子による土壌保全効果について,マクロに表現する侵食モデル式とミクロな相互作用の関係,高分子の吸着動力学に関する結果を得た.これらの成果を順次まとめ,査読付き論文として学術雑誌上で公表した.以上より研究の進捗状況は順調と判断する.
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Strategy for Future Research Activity |
現在,進めている実験を中心としたデータ取得と理論あるいは予測モデルの構築を継続的に推進する.天然粘土および新規ナノマテリアルのゼータ電位と凝集速度に及ぼす環境関連物質の影響について光散乱法を中心に調べる.また,環境面では重要な流れとイオン種・濃度が凝集動力学とコロイドのレオロジーに与える効果を系統的に調べる.得られた測定値を,電場,イオン輸送,流体力学を考慮したマルチ物理モデルを中心に解析する.さらにポリマーとナノ粒子の混合液ならびに高濃度コロイド液が示す特異な力学挙動のデータ蓄積を進める.
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