Project/Area Number |
19H05597
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (S)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Broad Section B
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小川 卓克 東北大学, 理学研究科, 教授 (20224107)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川島 秀一 早稲田大学, 理工学術院総合研究所(理工学研究所), その他(招聘研究員) (70144631)
高橋 太 大阪公立大学, 大学院理学研究科, 教授 (10374901)
瀬片 純市 九州大学, 数理学研究院, 教授 (90432822)
前川 泰則 京都大学, 理学研究科, 教授 (70507954)
服部 裕司 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (70261469)
岩渕 司 東北大学, 理学研究科, 准教授 (40634697)
猪奥 倫左 東北大学, 理学研究科, 准教授 (50624607)
林 仲夫 大阪大学, 理学研究科, 教授 (30173016)
|
Project Period (FY) |
2019-06-26 – 2024-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥131,170,000 (Direct Cost: ¥100,900,000、Indirect Cost: ¥30,270,000)
Fiscal Year 2023: ¥23,010,000 (Direct Cost: ¥17,700,000、Indirect Cost: ¥5,310,000)
Fiscal Year 2022: ¥27,040,000 (Direct Cost: ¥20,800,000、Indirect Cost: ¥6,240,000)
Fiscal Year 2021: ¥25,870,000 (Direct Cost: ¥19,900,000、Indirect Cost: ¥5,970,000)
Fiscal Year 2020: ¥26,390,000 (Direct Cost: ¥20,300,000、Indirect Cost: ¥6,090,000)
Fiscal Year 2019: ¥28,860,000 (Direct Cost: ¥22,200,000、Indirect Cost: ¥6,660,000)
|
Keywords | 臨界問題 / 適切性 / 漸近解析 / 粘性流体 / 非線型偏微分方程式 / 非圧縮性粘性流体 / 自由境界問題 / 非線形シュレディンガー方程式 / 非線形境界条件 / Keller-Segel 方程式 / アルツハイマー病 / 解の爆発 / 臨界指数 / 最大正則性 / 初期値境界値問題 / 非線形分散型方程式 / 圧縮性・非圧縮性粘性流体方程式 / Anderson-Chaplain 方程式 / 臨界特異摂動 / 端点最大正則性 / 有界平均振動(BMO) / 非線型シュレディンガー方程式 / 非線型境界値問題 / 臨界適切性 / ナビエストークス方程式 / 移流拡散方程式 / 臨界最大正則性 / 緩和時間零極限 / 一般化された最大正則性 / 消散型非線型シュレディンガー方程式 / 変数係数放物型問題 / Foureri-Sobolev空間 / MHD方程式 / 臨界型非線型問題 / Navier-Stokes方程式 / 臨界型非線型分散問題 / 臨界函数不等式 / 臨界型問題 / Shannonの不等式 / 緩和時間極限 / 不確定性原理 / 高速拡散型退化放物型問題 / Keller-Segel方程式 / 臨界型不等式 / 非線形偏微分方程式 / 変分問題 / 流体方程式 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、非線形偏微分方程式で表される数理モデルに対して、実補間理論を駆使した精密な議論や複素解析学からの技法を援用して、臨界性に隠された桁落ち特異性発生の構造を探る. 非線形偏微分方程式の解の挙動などを切り分ける臨界現象の数理構造を明らかにするために臨界拮抗時に発生する特異性を検出・制御する理論を開発する. 桁落ち特異性, すなわち最高次数よりも解析学的に次数の低い対数程度の特異性を解析学的に取り扱う有効な技法を見いだし, 臨界型汎用函数不等式や実補間空間論と融合することにより, 臨界特異性の解析に有効な対数次数の特異点の制御に適合した技法を考案する.
|
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者の小川は勝呂剛志氏(熊本大理)と共同で, Keller-Segel方程式の初期値問題の局所一様Lebesgue 空間での時間局所的適切性を論じ, 特に放物型-放物型問題から放物型-楕円型問題への特異極限を同様な函数空間上で証明した. また関連するモデルとしてアルツハイマー病の数理モデルを記述する誘因-反発型走化性方程式を細野竜也氏(東北大学振PD)と共同で考察し, 空間4次元の大域適切のための初期条件の臨界値を示した. 清水扇丈氏(京大理) と共同で, 非圧縮性粘性流体の自由境界問題に対し, 初期界面が平坦で初期流速が小さい場合の時間大域的適切性を, 境界値問題の時間L-1最大正則性を示した上で証明した. この結果は, Solonnikov に始まる自由境界問題に対する, Fujita-Katoの原理が適用可能であるスケール変換不変空間における問題の取り扱いをはじめて確立した結果であり, 同時期に得られた Danchinら(pre-print)の結果に含まれない, 初期条件を超関数のクラスから選ぶことを許容した結果で. 空間2 次元の非有界領域における時間大域的適切性の最初の結果である. さらに同様の結果を初期界面が平らな場合から, 函数のグラフで記述される初期界面に対する結果に拡張した. 林 仲夫氏(早大理工)とKaikina氏, Naumkin氏(共にメキシコ・モラリア大)と共同で, 空間一次元の半直線上の非線形Schrodinger 方程式を考え, 境界上で解のトレースのべき乗を境界条件を与えた, 境界非線形性による解の有限時間内の爆発を証明した. また佐藤拓也氏(熊本大学振PD)と津原 駿氏(神奈川大工)と共同で, 非線形Schroedinger 方程式の半Eulcid空間における初期値境界値問題を考え, 2次元L2-空間で時間局所適切性を証明した.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
非圧縮性粘性流体の自由境界問題においては, ほぼ当初考えた解の時間大域的適切性が初期界面を平坦に選んだ場合, 及び一般的な函数のグラフで記述される場合において証明し成果発表を行った. ケラーシーゲル系の特異極限の結果は, その後, 医療数理に現れる走化性粘菌モデルを表す非線形放物型方程式系の特異極限に展開され, これらの共通の数理構造である非局所型放物型問題の初期値問題に対する特異極限を考察の後, 特に癌の浸潤モデルであるAnderson-Chapliain モデルに対する特異極限をスケールリング臨界空間で実現した. これは臨界空間における特異摂動に対する, 本研究の主要目的の成果としてあげられるものである. その際, 元々のモデルとの相関に非回帰的Banach空間の一つである, 有界平均振動のクラスでの熱方程式の最大正則性を導入し, 解のクラスである時空空間が初期条件が有界平均振動でありながら最大正則性を保つ必要かつ十分な空間であることを示した. この結果はそれ自身, 非回帰的空間における, 最大正則性として一般論からは得られない事実であり, 臨界空間の構造研究の一つとして, 顕著な成果としてあげられる. さらに局所一様空間におけるKeller-Segel系の特異極限問題では, やはり非回帰的Banach空間での最大正則性を示すこととなったが, 双対性原理など局所一様Lebesgue空間の特性と, 最大正則性理論の拡張に寄与するところとなった. 総じて最大正則性に関しては大きな進捗を得られたと考える.
|
Strategy for Future Research Activity |
2023年度までの研究で流体の自由境界問題に対する研究は, 非圧縮性粘性流体に対してはほぼ完了し, 圧縮性粘性流体ヘの展開を視野に入れた研究に移行しつつある. さらに流体方程式への応用を契機に考察を進めている非線形シュレディンガー方程式に対する非線形境界条件への展開がすすみ, 高次元の場合への糸口がつかめた. 分散型問題では非線形境界条件の臨界指数の同定, とりわけ非線形境界条件に対するSobolev臨界指数の場合の適切性に研究を進める. 一方半空間における実補間空間における函数について考察を進め, 圧縮性流体問題に適用可能な時間端点最大正則性を示すことで, 圧縮性粘性流体に対する自由境界問題ヘの応用を目指す. 特にマッハ数零の特異極限, あるいは緩和時間零の特異極限に置ける非線形問題の極限方程式への収束をスケール臨界空間で完結させることを目指す. また, 局所ルベーグ可積分クラスにおける多様な非線型放物型問題の研究は, 非圧縮性粘性流体の運動方程式などの研究において知られるが, 対流拡散方程式に対しても同様の成果を得られたことから, 対流拡散方程式あるいは圧縮性粘性流体の問題に対する拡張を考える. またMHD方程式の研究に端を発し, Hall効果を持つ問題や, 磁気電気効果を持つ問題, さらにスケール臨界空間での可解性に必要な, 双線形評価や時間端点最大正則性, あるいは多重スケール普遍性に起因する非線型構造の分類などの研究を深めたい. コロナ感染症拡大期に行えなかった, 海外研究者らの招へいや, 若手研究者らの海外短期派遣は2023年度中に一定数, 実現できたが, 研究代表者を始め主体的研究者らの海外派遣を本格的に再開し, 研究成果の世界的な浸透に努めるべく研究交流の活発化を目指し, コロナウイルス感染拡大前の交流の水準に戻すことを目指す.
|
Assessment Rating |
Interim Assessment Comments (Rating)
A: In light of the aim of introducing the research area into the research categories, the expected progress has been made in research.
|