戦略的CSR行動に基づく環境研究開発と競争法適用に関する政策研究
Project/Area Number |
19K01675
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 07040:Economic policy-related
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
大内田 康徳 広島大学, 人間社会科学研究科(社), 教授 (40321517)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2021: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2020: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2019: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
|
Keywords | 社会的責任 / 環境R&D / 競争政策 / 寡占モデル / ゲーム理論 |
Outline of Research at the Start |
現在、社会全体が環境低負荷型へと変化することが強く求められおり、「科学技術基本計画」においても環境イノベーションの重要性が強調されている。その一方で、企業の社会的責任(CSR)に基づく行動を、競争政策の運用上どのように評価すべきかの経済学研究の蓄積はほとんどない。戦略的CSRが「市場の失敗」による厚生損失を緩和し、同時に企業の利潤を拡大する状況を解明しながら、市場形態に応じた競争政策と環境規制の望ましい水準とその在り方を模索する。そして、企業の戦略的CSR行動の下での競争法適用について理論研究の蓄積を行う。
|
Outline of Annual Research Achievements |
地球環境への危機感が高まるにつれて、社会の在り方が環境低負荷型へと変化することが強く認識されるようになった。同時に企業は経営戦略として社会的責任(CSR)に基づく行動を選択するようになった。そうしたCSRへの適応は、多くの産業に拡大しており、多くの国の政府が自国の競争政策をデザインする際に無視できないほど大きな影響力をもつようになっている。本研究では、寡占企業の戦略的CSR行動が「市場の失敗」による厚生の歪みを緩和し、そして同時に利潤あるいは企業価値を上昇させる状況を解明しながら、市場形態に応じた環境税の望ましい水準とその在り方について理論的な基礎を固める。さらに、環境税と企業の戦略的CSR行動が併存する状況での望ましい競争法の適用についてモデル分析の蓄積と基盤強化を進める。 最終年度となる令和5年度においては、成果の精緻化と査読対応に注力し、次に示す成果の出版に至った。JEEMに公刊された論文 (Tomoda and Ouchida(2023))では、株式市場と生産物市場を融合させた理論モデルを構築し、環境CSRを志向する株主(環境アクティビスト)が企業の意志決定に果たす役割と企業が環境CSRに適応するかどうかの内生的分岐のメカニズムについて理論的に考察した。この成果は、より複雑な寡占市場を念頭においたさまざまな拡張可能性があることから、今後においてさらなる発展につなげたい。 本研究の成果は、研究期間全体を通じて次の2つに要約できる。ひとつは、寡占市場を前提とした環境R&Dモデルと戦略的経営委任モデルを組み合わせたCSRモデルの整備に取り組んだことである。もうひとつは、株式市場と生産物市場を融合させた理論モデルを構築し、環境CSRを志向する環境アクティビストが社内の意志決定に果たす役割と企業が環境CSRに適応するかどうかの内生的分岐メカニズムを明らかにしたことである。
|
Report
(5 results)
Research Products
(5 results)