Project/Area Number |
19K02113
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 08010:Sociology-related
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Research Institution | Tsuda University |
Principal Investigator |
松山 章子 津田塾大学, 学芸学部, 教授 (70404233)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三砂 ちづる 津田塾大学, 学芸学部, 教授 (70342889)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2021: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2020: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | ロヒンギャ難民 / 医療の多元性 / 伝統的医療 / ホストコミュニティ / 多元的医療 / ジェンダーに基づく暴力と健康 / 安全でない中絶 / 早婚(児童婚) / 多元的医療体系 / 包括的健康 |
Outline of Research at the Start |
2017年8月下旬から数カ月の間に、約60万人のイスラム少数民族ロヒンギャがミャンマーから隣国バングラデシュに流出した。長期的には、難民キャンプにおいて近代医療ケアを享受することは、難民の身体的健康の改善に寄与するであろう。一方、伝統的社会に生きてきた彼らが避難先において短期間で近代医療サービスへ接触する際、どのように適応、あるいは不適応のプロセスを経験することになるのだろうか。本研究の目的は、医療人類学及び疫学的アプローチを合わせた混合研究法により、彼らの「健康」を身体的だけではなく、精神的、社会的観点からも包括的に理解することである。
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Outline of Annual Research Achievements |
新型コロナ感染症拡大で研究が滞っていた期間は、バングラデシュの研究協力者などと綿密な打ち合わせを継続し、ロヒンギャ難民の言語(バングラデシュで広く使われているベンガル語とは異なる)に精通したスタッフをかかえる調査専門コンサルタント会社KOLPONA(代表:日本人研究者)と協力して情報・データを収集することを決定した。難民キャンプの現状把握と難民キャンプ内での調査実施に関わる情報収集も含めて、事前準備を進めた。また、国内においては、調査実施に際して、研究計画書を津田塾大学倫理審査委員会に研究計画書を申請、承認された(2023年2月)。 難民キャンプに関しては、 当地で活動する政府機関(難民救済及び本国送還を担うための政府設立機関であるRRRC)、 難民キャンプのあるコックスバザール県NGO担当部局、地元NGO(Social Aid, BRAC、PULAE)や国際機関(国連)、国際NGO(日本赤十字コックスバザール事務所)への聞き取りを行った。これらのヒアリングから各機関の支援活動の概要を把握できた。また、メディアで報じられる様々なニュースの分析を踏まえると、ロヒンギャ難民キャンプは、2022年8月より情勢不安が継続していることが明らかとなった。新型コロナによる世界的パンデミックに加え、ウクライナ・ロシア間の戦争による国際機関やNGOの支援金額の減少、長期化する難民キャンプでの生活、情勢不安に比例してバングラデシュ政府や難民キャンプをかかえるホスト(現地)コミュニティからの姿勢や視線も厳しくなり、ロヒンギャ難民の暮らしは日々圧迫されている。また、難民キャンプから合法的、非合法的に抜け出しホストコミュニティで仕事をしたり、ホストコミュニティに居つくケースも増加しているとも言われている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナ感染拡大、ウクライナ・ロシア間の戦争による国際機関やNGOの支援金額の減少、長期化する難民キャンプでの生活の困窮やストレスなどから特に若者の間でのギャンググループ同士の衝突、放火が疑われる大規模火災などによる治安の悪化から、当初の計画に沿って研究を進めることが大変困難な状況である。しかし、地元の状況に精通している調査コンサルタント会社との連携協力の下、情報を取集し、この一年で実施する研究計画を再構築し準備を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
複数の現地NGOや政府機関への聞き取りを通じて、情勢が安定している場合は難民キャンプへの入域が許可される可能性は高いが、現在情勢不安が続いているため、許可が取得できたとしても、突然入域が取り消されるなどの不確定要素は残る。一方、キャンプ周辺のホストコミュニティにもロヒンギャ難民が合法的、非合法的に出てきて仕事をしたり、あるいはそのまま居ついて居住するケースが増加していることが明らかになっているため、彼らへのインタビュー実施など、状況に合わせて柔軟に対応し調査遂行する予定である。現在、難民キャンプ内や周囲のホストコミュニティにおけるインタビュー、参与観察、フォーカスグループディスカッションの実施に向けて詳細を検討、準備を行っている。
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