Project/Area Number |
19K04206
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 19010:Fluid engineering-related
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
藤田 佳孝 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 計量標準総合センター, 主任研究員 (60357910)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村本 智也 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 計量標準総合センター, 研究員 (60828284)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2021: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2019: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
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Keywords | 粘度 / 絶対測定 / 落球法 / 粘度計 / 粘度標準 / ISO / 水の粘度 / 細管法 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、新たな粘度基準点の設定を目指した高精度粘度絶対測定の研究に取り組む。 これまで開発を進めてきた落球法による高精度粘度測定における球体落下の速度測定実験システムに対して、新たに、落球試料槽内壁の境界条件の影響が落下速度に与える系統効果の補正を施して試料液体粘度を与える落下速度終端速度を精密決定するための実験手法を組み込む。この装置により、中高粘度域における10-4の相対測定不確かさレベルの粘度絶対値を決定し、広範囲な粘度標準高精度化をもたらす新たな基準点設定の提案を可能にするとともに、さらなる高精度化による粘度ISO国際基準値改訂への道を拓くことを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
落球法による従来精度を上回る粘度絶対測定法確立を目指した高精度な落球終端速度決定を可能とする試料容器の境界条件の影響を評価した補正のための実験機構を構築して、これを既設の落球実験システムに導入することが研究目的達成のための大前提となる課題である。この管壁補正のための、遠隔操作によるステンレスシートのガイドリング巻き付けによる試料容器中の落球周りの円筒型境界の内径を可変させる機構(以下、可変機構)について、昨年度の動作試験で生じた幾つかの問題点解決のための改良検討に取り組んだ。一つはシートの片端巻取りに連動して動作するもう一方のシート片端に接続された窓部を円筒容器の径中心にスライドさせる機構のスライドの引っ掛かりの問題である。これを解決するため、現行窓部上下にあるスライドブッシュとシャフトから成る二つの駆動機構の片方を除外し、上下二組のスライドの同期動作の僅かなズレに起因する引っ掛かりを無くすと共に、スライドブッシュ内径やシャフト間隔を拡大させてスライド動作を安定化させることとした。また窓部の縦方向の空洞に試料液体の屈折率に近いガラス基板を備えて境界の定義への影響を完全に排除することとした。二つめは、シートのガイドリングへの確実な巻き付けを直接観察により行うための、試料容器円筒部の透明アクリル円筒への変更で、現行の球体落下回収機能を備えたアルミ試料容器上下蓋部との接続を整合させるよう設計する必要がある。以上の改良課題の解決に取り組み設計・製作着手までを行った。また、粘度決定に要する球体の密度と直径を求めるために、圧力浮遊法による精密密度差測定のための落球専用セルを製作して試験測定を実施し微小球の安定浮遊制御に取り組むと共に、決定粘度値を基準とした細管法による水の絶対値精密決定に用いる精密恒温槽を整備し、断熱方法に工夫を施した恒温槽の温調性能の確認を現在進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
可変機構の実験システム導入にあたって昨年度実施した油中動作検証によって判明した幾つかの改良課題に対して対処方法の検討とそれらに基づく設計製作に取り組んだ。年度当初はこれらの課題を第2四半期頃までに終えて、以降は可変以降を導入した実験を開始して粘度決定まで進めることを目標としていたが、以下のいくつかの要因のために実際の製作過程に移行するまでの改良の検討段階において予想外の時間を要した。 スライド機構の改良では、動作の不安定要素の要因追及とそのための改良仕様の検討に、そして、同機構窓部へのガラス基板装着では、落球の観測画像から求まる変位計測への影響を極力排除するための基板の平行度確保のための加工仕様や狭い空洞部への設置方法の検討に予想外の時間を要した。また、試料容器のアクリル円筒への変更にあたり、規格仕様のアクリル円筒材を既存の特殊仕様のアルミ容器上下蓋部へ接続するためのアクリル側の設計仕様の検討に時間を要し、さらに既存アルミ容器の円筒部が接着されていたため容易に分離できなかった。加えて、コロナ禍の影響により、試作の依頼先業者への発注タイミングが業者側の他の受注案件と同時期に集中したため、四か月以上の遅延が生じた。その他、実験システムの構成機器の温度測定装置の不具合発生による修理と検証、本課題以外の所属機関の本来業務において生じた優先すべき新たな事案や使用機器トラブルへの対処、私的理由により休暇せざるを得ない事案の発生により、それぞれ一月以上を要した。 以上の理由により、現在は改良課題の製作段階であり、実験開始に至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
現在試作業者に発注下にある上記改良案件を施した円筒可変機構の製作と再構築を遅くとも第3四半期前半までに完成させる。実験システム自体にも改良課題は依然残されているが、予算的な問題があるため、個々の残課題の結果への影響を勘案したうえで、なるべく早期実験開始となるように進め、管壁補正式決定と落球終端速度決定を目指す。圧力浮遊方式による密度差測定では安定浮遊が解決しない場合には、セルの改良を行い、球体密度を求めるとともに、球体質量測定結果から球体直径を導出し、これらの各量に基づき粘度絶対値を決定する。また、決定された中高粘度域測定試料の粘度絶対値に基づく細管法による水の粘度絶対値決定は、研究実績にも記したとおり現在性能評価中であるが、これを用いて落球実験と並行して進める予定である。
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Report
(4 results)
Research Products
(3 results)