Development of organic-inorganic composites as an acid-base catalyst using layered perovskite-type compounds
Project/Area Number |
19K05147
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 27030:Catalyst and resource chemical process-related
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
小笠原 正剛 秋田大学, 理工学研究科, 准教授 (40431613)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 純雄 秋田大学, 理工学研究科, 教授 (50233797)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2021: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 層間架橋体 / one-pot反応 / インターカレート / Knoevenagel反応 / 酸塩基両特性 / 臨界ミセル濃度 / Dion-Jacobson型層状ペロブスカイト / 有機無機複合体 / 塩基触媒 / 層状ペロブスカイト型化合物 / 塩基触媒活性 / インターカレーション / 固体酸 / 固体塩基 |
Outline of Research at the Start |
本研究では,ホスト化合物の化学特性とホスト-ゲスト間の相互作用による機能発現を組み合わせることで新規な酸塩基触媒を創製する.Nb系層状化合物は固体酸として機能することが数多く報告されている.また,第四級アンモニウムイオンを含む有機無機複合体が塩基触媒活性を示すことが明らかにされている.本研究ではこれらの機能発現に着目し,"酸と塩基"を独立に持ち多段階反応を進行させることが可能な触媒の調製を行う.
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Outline of Annual Research Achievements |
Dion-Jacobson型層状ペロブスカイト(一般式:A’An-1BnO3n+1)から得られる層間架橋体を無機種として有機無機複合体を調製し,その化学組成により酸-塩基特性を制御する検討を行った。HCa2Nb3O10のAサイトカチオンであるCaをNaとLaに置換すると,酸量が少なく塩基触媒活性の高い層間架橋体を得ることが出来た。この層間架橋体を無機種とした複合体調製において,オクチル基やセチル基を有する第四級アンモニウムイオンを有機種として導入すると新たに塩基点が形成されることを確認した。このとき,テトラメチルアンモニウムイオンでは複合化により塩基触媒活性が低下し,層間架橋体からの検討においても有機種の選択が重要なことが分かった。次に,得られた複合体について酸点と塩基点の両方が必要なone-pot反応の触媒として評価したところ,層間架橋体の酸-塩基特性が反映されNaを含む系では酸触媒活性が低下し塩基触媒活性が向上した。そこで,Aサイト置換に加えてBサイトも部分置換することによる酸特性制御を検討したところ,Tiを含む系において酸-塩基両特性が向上することが示唆された。 有機無機複合体の調製に関する基礎的な知見を蓄積するために,層状化合物HCa2Nb3O10と組み合わせる長鎖アルキル基を有する有機種の探索も行った。有機種の親水部に注目した検討として,イミダゾリウムイオンやピロリジニウムイオンについて検討したところ,いずれもインターカレートにより複合体を形成し,その複合体は塩基触媒活性を有することが分かった。同じ調製条件で得られた両複合体を比較すると,イミダゾリウムイオンを含む複合体の有機種量が多かったことから,平面構造の親水部をもつ有機種の方が層間に多く含まれやすいと推定される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
有機種量の多い複合体の調製条件を探索してきたが,層状ペロブスカイト型化合物HCa2Nb3O10を無機種とすると第一級アミンのインターカレートとは異なり,カチオン性有機化合物では理論的に期待される有機種量の60%以下の複合体が多く得られている。これは,親水部の立体障害により層間に存在出来る量が制限されていることを示唆している。 また,層状ペロブスカイト型化合物の架橋化処理により得られる200~300 m2/g程度の比表面積を有する層間架橋体を無機種としても,第四級アンモニウムイオンとの複合化により塩基触媒となることを見出しており,機能制御を図る選択肢が拡がった。この際,層状ペロブスカイト型化合物の特徴でもある組成の多様性を活かして部分置換を検討した結果,置換効果は層間架橋体やその有機無機複合体の酸-塩基特性にも影響を及ぼすことが分かった。 これらの結果から,有機無機複合体の形成条件や酸塩基特性制御に関する新たな知見は幾つか得られたと考えている。一方,酸-塩基両特性を評価するテストリアクションに加えて,生理活性物質の合成触媒としての評価にも着手したが,これまでに評価した複合体の触媒活性は十分でなく改善が望ましい。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの検討により,無機種(ホスト化合物)や有機種(ゲスト化合物)の選択によって酸-塩基特性が異なる有機無機複合体が幾つか得られた。得られた結果について酸特性に注目して比較すると,層間架橋体は原料として用いたH型層状化合物よりも低い酸量を示している。これは架橋処理過程で500 ℃の熱処理を行っているためと推定され,架橋体調製条件も機能制御因子になることが分かった。本研究では酸-塩基特性の独立制御を目指しており,酸機能の抑制法の一つになると期待している。 生理活性物質合成触媒の評価においては,シンプルなテストリアクションに比べて副反応の抑制が重要であると考えられることから,これまでに得られた複合体調製条件に関する知見を活かして検討を進めたいと考えている。また,溶媒による影響や複合体の安定性についても実験により評価し,総合的に考察する。
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Report
(4 results)
Research Products
(13 results)