シアノバクテリアのパートナースイッチング制御系による環境応答機構の解明
Project/Area Number |
19K06717
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 44030:Plant molecular biology and physiology-related
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
日原 由香子 埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (60323375)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | シアノバクテリア / 強光順化応答 / パートナースイッチング制御系 / シグナル伝達 / 順化応答 / PmgA / リン酸化 |
Outline of Research at the Start |
20年以上前に、シアノバクテリア Synechocystis sp. PCC 6803が強光下や光グルコース条件下で生存するために必須な因子としてPmgAを同定したが、PmgAタンパク質の調製が困難であるため、生化学解析は進展しなかった。今回、in vitro翻訳系の利用がブレークスルーとなり、PmgAのリン酸化標的としてSsr1600を同定した。これを手掛かりとして、PmgAが従属栄養細菌においてパートナースイッチング制御系として知られているシグナル伝達経路の構成成分であるのか、それともシアノバクテリアに特有のシグナル伝達経路を構成しているのか、生化学・生理学の両面で解析を進めていきたい。
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Outline of Annual Research Achievements |
これまでにPmgAとSsr1600について、in vitroでの相互作用解析、および過剰発現株と破壊株の表現型解析を行ってきたが、Ssr1600のリン酸化状態を検出する方法を確立していなかったため、in vivoにおいてPmgAがSsr1600をリン酸化することを示せていなかった。令和4年度はPhos-tag PAGEの泳動条件を検討することにより、リン酸化型・脱リン酸化型のSsr1600の分離に成功した。破壊株・過剰発現株セットについてPhos-tag PAGE後にSsr1600をウェスタン検出したところ、いずれの株でも脱リン酸化型のSsr1600が検出されないこと、キナーゼであるPmgAの過剰発現株ではリン酸化型のSsr1600の蓄積量が増えることが明らかになった。つまり、Ssr1600はリン酸化型でのみ細胞内に安定に蓄積し、その蓄積量はPmgAによるリン酸化活性により制御されている可能性が示された。この結果を受けて、Ssr1600の脱リン酸化に働くパートナースイッチングホスファターゼの同定に着手し、Bacterial two hybrid法を用いて候補の絞り込みを行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Phos-tag PAGEの系を用いて、野生株、PmgAとSsr1600の遺伝子破壊株・過剰発現株についてSsr1600のリン酸化状態の検出に成功したこと、Ssr1600がリン酸化型でのみ蓄積することを見出したことは大きな前進であったが、Ssr1600の蓄積量の制御がどのように行われているのか、Ssr1600の蓄積量が変動することにどのような生理的意義があるのかが未だ不明である。今後、引き続きSsr1600ホスファターゼの同定を進めるとともに、Ssr1600の相互作用因子を同定する必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
Ssr1600ホスファターゼを同定するために、候補因子の遺伝子破壊株・過剰発現株を作製し、Ssr1600の蓄積量、およびリン酸化状態を検出する。また、ホスファターゼを組換えタンパク質として発現精製し、組換えSsr1600に対する脱リン酸化活性を評価する。また、プルダウン解析や、Bacterial two hybrid法を用いて、Ssr1600の相互作用因子の同定を試みたい。
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Report
(4 results)
Research Products
(20 results)