グルコーストランスポーター1欠損症における新規診断法の確立と簡便な食事療法の開発
Project/Area Number |
19K08322
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 52050:Embryonic medicine and pediatrics-related
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
青天目 信 大阪大学, 大学院医学系研究科, 講師 (30570072)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
|
Keywords | グルコーストランスポーター1欠損症 / 先天代謝異常 / 食事療法 / 移行期医療 / 回帰分析 / GLUT1欠損症 / フローサイトメトリー / ケトン食療法 / ケトン体 |
Outline of Research at the Start |
グルコーストランスポーター1 (Glucose transporter 1 deficiency syndrome: GLUT1)欠損症は、脳内へのグルコースの取り込みが低下することによる中枢神経疾患で、代替エネルギー源となるケトン体を供給するケトン食療法が有効である。国内で可能な診断検査は遺伝子検査のみで、陰性例の確定診断やGLUT1の機能評価はできない。また、ケトン食療法中の血糖値やケトン体値などの血中エネルギー物質の値や日内変動が食事療法の効果に示す影響は未検討である。本研究では、①GLUT1の発現量を測定する新規診断法の確立、②ケトン食療法の有効性に影響する因子を解明する。
|
Outline of Annual Research Achievements |
この研究は、グルコーストランスポーター1欠損症(Glut1欠損症)の成人期における妥当な食事療法を検討し、開発することを目指している。2019年度は、成人期の自然歴を小児期の自然歴と対比するため、自然歴研究、および食事療法の有効性について検討し、2020年度は、新規に患者が多数診断されたことを踏まえ、発達・神経学的所見と髄液等との対応について検討した。2021年度は、食事療法を導入して安定期にある患者について、食事中の糖質を増やした患者の経験を後方視的にまとめた。 自然歴研究から、髄液糖と重症度について回帰分析を行った。重症度として、新版K式小児発達検査2001における発達指数(developmental quotient: DQ)、小脳運動失調の重症度スケール(Scale for the assessment and rating of ataxia: SARA)を用いて評価した。乳児期以降診断例で中等度の関連を認めた。乳児期診断例でも髄液糖とDQの間に中等度の関連を認めた。共分散分析を行うと、乳児期以降診断例と乳児期診断例ではp=0.002で両者が同じである仮説は棄却された。乳児期以降診断例で、髄液乳酸を測定していた患者について、同様の回帰分析を行ったところ、髄液糖、髄液乳酸とDQ、SARAの間には、中等度の関連を認めたが、髄液糖と髄液乳酸の間には相関係数は中等度であった。髄液糖と髄液乳酸を説明変数、DQとSARAを目的変数として重回帰分析を行ったところ決定係数が高値となり、髄液糖と髄液乳酸は独立して重症度に寄与することが判明した。 以上の自然歴研究について、論文化ができた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
自然歴研究を行い、新しい知見を得られ、論文化することができた。日常的な臨床でも、新たな患者の診断も進み、患者数も増えている。思春期に至った患者において、食事療法をやや緩めても問題ないことは、臨床経験からは言えると考えられる。成人期に至った患者でも同様であった。特に、成人期に至った患者では、知的障害を有して自立できない患者が多いことから、家族の元を離れて入所する場合の食事療法をどのように維持するかということは非常に大きな問題である。診療している成人患者で、家族の元を離れて入所している患者が2名おり、どこまでケトン食療法を緩められるかは、入所している施設が異なるため、同列に比較することは難しい。ただ、入所している患者でケトン食療法を導入し、その後緩めることのできた症例1名、在宅から入所に移行した別の患者1名のケトン食療法の管理を経験し、大きく体調が崩れなかったため、今後の成人期の患者の管理法の構築は道半ばにある。
長期にわたりケトン食療法を行った場合に出現する副作用についても検討を行い、家族例のある症例での脂質異常症、尿路結石、思春期以降の肥満の発生には注意が必要である一方、動脈硬化性変化や脂肪肝は認めていない。
|
Strategy for Future Research Activity |
食事療法中の様々な年齢の患者について、在宅でケトン食療法を行っている患者について、通常のケトン食療法を行っている時の血糖とケトン体の日内変動を把握する。食事内容を記録して栄養士にて、1食ごとの総カロリー、糖質・脂質摂取量、ケトン比を求めて、それが血糖値やケトン体の日内変動にどのような影響を与えているのかを検討する。また、それを年齢により異なるかを検討する。 ついで、神経症状が発現した時の血糖値やケトン体を測定する。血糖値やケトン体の絶対値と食事との関係を調べ、ついで、神経症状と血中濃度に対応があるかを検討する。
|
Report
(4 results)
Research Products
(19 results)
-
[Journal Article] Association between cerebrospinal fluid parameters and developmental and neurological status in glucose transporter 1 deficiency syndrome2023
Author(s)
Nabatame S, Tanigawa J, Tominaga K, Kagitani-Shimono K, Yanagihara K, Imai K, Ando T, Tsuyusaki Y, Araya N, Matsufuji M, Natsume J, Yuge K, Bratkovic D, Arai H, Okinaga T, Matsushige T, Azuma Y, Ishihara N, Miyatake S, Kato M, Matsumoto N, Okamoto N, Takahashi S, Hattori S, Ozono K.
-
Journal Title
Journal of the Neurological Sciences
Volume: 447
Pages: 120597-120597
DOI
Related Report
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
-
-
-
-
-
[Journal Article] Lenticular nuclei to thalamic ratio on PET is useful for diagnosis of GLUT1 deficiency syndrome.2020
Author(s)
Natsume J, Ishihara N, Azuma Y, Nakata T, Takeuchi T, Tanaka M, Sakaguchi Y, Okai Y, Ito Y, Yamamoto H, Ohno A, Kidokoro H, Hattori A, Nabatame S, Kato K.
-
Journal Title
Brain Dev
Volume: 43
Issue: 1
Pages: 69-67
DOI
Related Report
Peer Reviewed
-
[Journal Article] Endocrinological Features of Hartsfield Syndrome in an Adult Patient With a Novel Mutation of FGFR1.2020
Author(s)
Kobayashi S, Tanigawa J, Kondo H, Nabatame S, Maruoka A, Sho H, Tanikawa K, Inui R, Otsuki M, Shimomura I, Ozono K, Hashimoto K
-
Journal Title
J Endocr Soc
Volume: 4
Issue: 5
DOI
Related Report
Peer Reviewed
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-