象牙芽細胞とエナメル芽細胞を蛍光標識できるマウスの歯の前駆細胞を用いた歯の形成
Project/Area Number |
19K10041
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 57010:Oral biological science-related
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
山崎 英俊 三重大学, 医学系研究科, 教授 (00283987)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
磯野 加奈 三重大学, 医学系研究科, 技術補佐員 (10833858)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2021)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 象牙芽細胞 / エナメル芽細胞 / 蛍光標識 / Amelogenin / Dspp / 前駆細胞 / 胚性幹細胞 / Amelx / 象牙芽細胞前駆細胞 / エナメル芽細胞前駆細胞 / tdTomato / GFP / 歯の器官形成 |
Outline of Research at the Start |
我々が作製した象牙芽細胞とエナメル芽細胞を別蛍光で同時標識できるマウスの歯髄・歯胚の象牙芽細胞やエナメル芽細胞を蛍光を指標に検出・単離し、遺伝子発現や表面分子発現を解析する 。次に、これらのマウス歯胚・歯髄から、器官培養にて蛍光陰性から陽性になりDSPP蛋白やAMELX蛋白を産生できる機能的な前駆細胞を同定・単離する。象牙芽細胞とエナメル芽細胞を別蛍光で同時に検出できるマウスから胚性幹細胞株を樹立し、蛍光を指標に象牙芽細胞やエナメル芽細胞の誘導を試みる。また、本系を用いて、蛍光を指標に歯への分化能を持つ口腔外の細胞集団を探索を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
1)蛍光を指標に機能的な象牙芽細胞及びエナメル芽前駆細胞の同定と単離を目指し、象牙芽細胞をGFPでエナメル芽細胞をtdTomatoで蛍光標識できるマウスを用いて、培養前は蛍光陰性で培養後に蛍光陽性になりDSPPを産生する象牙芽細胞前駆(幹)細胞を同定した。AMELXを産生できる機能的なエナメル芽細胞前駆(幹)細胞の候補になる細胞集団をいくつか見いだしたが、まだ特定にはいたっていない。2)歯上皮と口腔上皮に発現する遺伝子のRNAシークエンス解析により歯上皮の運命決定に関わる可能性のある候補遺伝子を見出した。それらから上皮細胞特異的に候補遺伝子の発現を誘導あるいは欠損させることのできるマウスを選び、一部は購入し、一部は現在コンストラクションを作成している。3)我々が樹立したDspp-GFP; Amelx-tdTomatoの2重遺伝子組換えマウスから樹立した胚性幹細胞株を用いて、象牙芽細胞及びエナメル芽細胞の誘導条件を検討しているが、安定にGFP陽性の象牙芽細胞を試験管内で誘導する条件を見つけることができていない。効率を上げる目的で歯上皮の異常により歯数に異常を示す組換えマウスと象牙芽細胞をGFPでエナメル芽細胞をtdTomatoで蛍光標識できるマウスから胚性幹細胞株の作成の準備をしている。4)Tamoxifen投与にて象牙芽細胞特異的にCreを発現できるDspp-GFP-merCremerマウスと象牙芽細胞特異的に遺伝子発現を制御できるfloxマウスを用いて象牙芽細胞分化に関わる遺伝子の同定を試みている。現在、ジフテリアトキシン受容体(DTR)を象牙芽細胞特異的に発現させて、DT投与により象牙芽細胞を欠損させる系を作成した。現在、tamoxifenとDTの投与量と投与時期の検討を行い、GFP陽性の象牙芽細胞が効率的に欠損する系の確立を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
蛍光を指標にAMELXを産生できる機能的なエナメル芽前駆細胞の同定と単離を目指し、候補になる細胞集団をいくつか認めたが、間葉細胞に比べ単一細胞化した上皮細胞の器官培養は困難な点が多く、再現性が低い。コラーゲン培養等で再現性を高める改善法を検討している。2)歯上皮と口腔上皮に発現する遺伝子の違いをRNAシークエンス解析により調べ、歯上皮の運命決定に関わる可能性のある候補遺伝子を見出した。それらから上皮細胞特異的に候補遺伝子の発現を誘導あるいは欠損させることのできるマウスを選び、一部は購入し、一部は現在コンストラクションを作成中である。購入したマウスのバックグラウンドをB6系に戻し交配するのに多くの時間がかかること、遺伝子組換えマウスの作製に多くの時間がかかっている。3)我々が樹立したDspp-GFP; Amelx-tdTomatoの2重遺伝子組換えマウスから樹立した胚性幹細胞株を用いて、蛍光を指標に胚性幹細胞株由来のエナメル芽・象牙芽細胞の誘導条件を検討しているが、安定にGFP陽性の象牙芽細胞を試験管内で誘導する条件を見つけることができていない。培養系での歯上皮の誘導頻度が低いと考え、歯上皮の異常により歯数に異常を示す組換えマウスの胚性幹細胞株を用いることを計画している。4)Tamoxifen投与にて象牙芽細胞特異的にCreを発現できるDspp-GFP-merCremerマウスを作成し象牙芽細胞特異的に遺伝子発現を制御できるfloxマウスを用いて象牙芽細胞分化に関わる遺伝子を同定する目的で実験を進めている。ジフテリアトキシン受容体(DTR)を象牙芽細胞特異的に発現させて、DTを投与することで象牙芽細胞を欠損させる系を検討している。Tamoxifenは妊娠の維持に関わることから、投与量と投与時期の検討を行い、GFP陽性の象牙芽細胞が効率的に欠損する系の確立を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
1)蛍光を指標にしたAMELXを産生できる機能的なエナメル芽前駆細胞の同定と単離では、単一細胞化した上皮細胞の培養に問題がある。コラーゲン培養を含めて改善法を検討する。2)歯上皮と口腔上皮に発現する遺伝子の違い、RNAシークエンス解析により調べ、歯上皮の運命決定に関わる可能性のある候補遺伝子をいくつか見出し、上皮細胞特異的にこれらの候補遺伝子の発現を誘導あるいは欠損させることのできるマウスを選び、一部は購入し、一部は現在コンストラクションを作成中である。マウスの準備が出来次第、象牙芽細胞をGFPでエナメル芽細胞をtdTomatoで蛍光標識できるマウスと掛け合わせて歯数への影響や歯の分化への影響を調べる予定である。3)我々が樹立したDspp-GFP; Amelx-tdTomatoの2重遺伝子組換えマウスから樹立した胚性幹細胞株を用いて、象牙芽細胞及びエナメル芽細胞の誘導条件を検討しているが、安定にGFP陽性の象牙芽細胞を試験管内で誘導する条件を見つけることができていない。歯上皮の異常により歯数に異常を示す組換えマウスと象牙芽細胞をGFPでエナメル芽細胞をtdTomatoで蛍光標識できるマウスと掛け合わせて新たに胚性幹細胞株を作成し、誘導実験を行う。検出感度や頻度が上がるのではないかと考えている。4)Tamoxifen投与にて象牙芽細胞特異的にCreを発現できるDspp-GFP-merCremerマウスと象牙芽細胞特異的にジフテリアトキシン受容体(DTR)を象牙芽細胞特異的に発現させて、DTを投与することで象牙芽細胞を欠損させる系を作成している。TamoxifenとDT投与によりGFP陽性の象牙芽細胞が効率的に欠損する系を確立し、歯の伸長や修復象牙質形成にどのように関わるかを検討する予定である。
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Report
(3 results)
Research Products
(19 results)