カンピロバクター属菌フードチェーン下流における汚染モデルの構築とリスク管理最適化
Project/Area Number |
19K10587
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 58020:Hygiene and public health-related: including laboratory approach
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Research Institution | Kobe Gakuin University |
Principal Investigator |
伊藤 智 神戸学院大学, 栄養学部, 講師 (30594428)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岸本 満 名古屋学芸大学, 管理栄養学部, 教授 (20454449)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2021: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | カンピロバクター属菌 / qPCR / 交差汚染 / 汚染伝播 / サンプリング法 / カンピロバクター食中毒 / Campylobacter spp / ダイレクトPCR / リアルタイムPCR / 加熱調理 / モバイル型リアルタイムPCR装置 / 細菌性食中毒 / ドリップシート / シートラップ法 / Campylobacter jejeni / 汚染モデル / 迅速検査 / ベースライン構築 / リスク管理最適化 |
Outline of Research at the Start |
カンピロバクター属菌による食中毒は、調理段階における汚染実態が分析・定量化しにくい事を理由にその有効な対策が確立されていない。 本研究では①流通段階における汚染菌量の実態を明らかにする。②伝播モデル実験を行い、調理操作による伝播率を算出する。③加熱調理の実態と生菌の生存率の調査を行い、伝播経路の分析、生残・死滅の定量的評価を実施する。④以上の研究活動の結果をフィードバックし、実際の調理現場に対して効果性の高い対策方法を示す。 本研究により得られた定量的データとその活用方法を明らかにし、消費者に向けたリスクアナリシスに活用する事や、HACCP制度化に伴う調理現場での衛生管理に活用する事を可能にする。
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Outline of Annual Research Achievements |
カンピロバクター食中毒の主な原因には、調理時の交差汚染があげられ、カンピロバクター食中毒予防対策を構築するためには、調理段階の汚染実態を定量する必要がある。そこで低菌量のカンピロバクター属菌を定量的に測定できるDirect-qPCR法を開発し、モデル実験を構築、モデル実験後の生残数を測定し、交差汚染や除菌・殺菌効果を数値化することを目的とした。 カンピロバクター標準菌で汚染させた鶏ササミ肉を筋取りして交差汚染させたまな板、包丁、手を用いて、ほうれんそう、きゅうりを切った場合の交差汚染率と汚染発生確率を測定するため、三次汚染調理モデル実験を行った。三次汚染調理モデル実験の結果、三次汚染率はまな板で3.07~5.38%で最も高かった。ほうれんそうでは、茹での方が生より汚染率が高かった。汚染発生率はまな板が最も高かった。 カンピロバクター標準菌液で汚染させたトレーを用いて、除菌・殺菌モデルを構築し、除菌・殺菌の効果を検証した。除菌・殺菌モデル実験の結果、菌液を吸い取り、殺菌剤噴霧後に拭き取ることで、トレーの生残数が検出されなくなった。しかし全てのふきんでカンピロバクター標準菌の生残が確認され、調理時の取り扱いに注意が必要であることが分かった。殺菌剤について、酸性電解水のほうがアルコールより生残数が少なくなった。 私たちが開発したDirect-qPCR法は、モデル実験や食中毒の原因食品調査などリスクアセスメントに有効であることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画していた3年間から1年間延長して、4年間に変更した。 これは、本研究で開発したwrap処理とDirect-qPCR法の組み合わせによる測定法が、迅速かつ定量的に検出できるため、測定の幅が拡がり、計画段階で設定した測定対象より幅広く測定することができるようになったことから、本補助事業の目的をより精緻に達成するための追加実験を実施するための期間延長である。 追加実験の結果から、調理環境での交差汚染の詳細が解明され、Campylobacter食中毒の予防につなげることができる。
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Strategy for Future Research Activity |
カンピロバクター食中毒は、生又は加熱不十分な鶏肉の喫食、調理中の取り扱い不備による二次・三次汚染などが原因であり、調理・消費段階の伝播汚染実態を把握したうえで対策・対応を講じる必要がある。しかし、カンピロバクター属菌はその特性(微好気性、VBNCなど)から、従来の培養法では正確な実態調査は難しく、特に調理環境で汚染実態調査や伝播経路を探索する場合は低菌量を定量する必要があるため実態を明らかにすることが困難だった。 2023年度は、カンピロバクター属菌の調理環境における伝播汚染実態を明らかにするため、開発したwrap処理とDirect-qPCR法の組合せで汚染伝播モデル実験行い、実際の調理操作に伴う調理環境への汚染伝播を測定する。これまでの結果をもとに考案したカンピロバクター食中毒予防のための家庭でできる具体的な方法を取りまとめる。
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Report
(4 results)
Research Products
(7 results)