New solvers and strategies based on mathematical analyses to enhance parallel performance on massive computers
Project/Area Number |
19K12008
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 60100:Computational science-related
|
Research Institution | Gifu Shotoku Gakuen University |
Principal Investigator |
阿部 邦美 岐阜聖徳学園大学, 経済情報学部, 教授 (10311086)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
生野 壮一郎 東京工科大学, コンピュータサイエンス学部, 教授 (70318864)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
|
Keywords | Krylov空間法 / 線形方程式 / 大規模計算機環境 / 通信箇所の削減 / 収束スピードの改善 / 丸め誤差解析 / Krylov空間法 線形方程式 / 収束スピード / 並列計算 |
Outline of Research at the Start |
近年,大規模な計算機環境の性能を活かす線形方程式ソルバーの設計が活発になっている.一方,大規模な計算機環境を活かすために開発された解法は従来のうちの一部である.また,従来より丸め誤差の影響を受け易いという欠点を持っている.そこで,大規模な計算機向きになっていないが有用性の高い解法を大規模計算機向きに設計する.次に,解法の実用性・信頼性を高めるために丸め誤差が収束性に及ぼす影響を解析し,その制御手法を開発する.さらに,大規模な計算機環境において開発した解法の性能を評価する.その際,大規模で社会的に役立つ実用問題を取り扱う.
|
Outline of Annual Research Achievements |
多くのプロセッサを用いて計算可能なハードウエアが開発され,今日,ペタスケールの性能が実現されている.近年では,こういった大規模計算機の性能を十分に活かすことができるKrylov空間法の研究が活発に進められている. Krylov空間法のアルゴリズムは,行列ベクトル積,内積,ベクトル更新(ベクトル和とスカラー倍)から構成されている.1プロセッサを使用する場合の計算時間は,主に行列ベクトル積の演算であるが,大規模計算機環境における効率性のボトルネックは,内積演算で起こるプロセッサ間の通信に関するオーバーヘッドである.この問題点を克服するため,近年,大きく分類して3つのアイディアから成る解法群,すなわちcommunication avoiding Krylov空間法,pipelined Krylov空間法,さらにs-step Krylov空間法が開発されている.しかしながら,Krylov空間法は丸め誤差の影響を受け易く,しばしば収束スピードの悪化という問題が起きる.すなわち,大規模計算機環境を想定し,効率性のボトルネックとなる通信箇所を減らす修正を施したアルゴリズムを開発したとしても,その副作用として収束スピードの悪化など,デメリットが発生することがある. そこで,通信箇所を減らし,さらに従来と同程度の収束スピードを保つことができるような(丸め誤差が収束性に与える影響を考慮した)アルゴリズム,すなわち 新たなcommunication avoiding 積型解法(BiCGSTAB法,GPBiCG法,BiCGstab(ell)法),pipelined 積型解法,s-step 共役勾配法などを開発した.また,本年度はこれらのアルゴリズムについて推敲し,基本的な数値実験によって収束性を評価した.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
1年目の研究計画は,大規模計算機環境を活かすソルバーの設計,すなわち大規模計算機環境向けになっていない積型解法や派生したアルゴリズムを大規模計算機向けに設計することである.また,これまでに開発された大規模計算機向け解法のうち,丸め誤差の影響を受けて収束スピードの悪化が生じる一部のアルゴリズムを修正することである.2年目の研究計画は,丸め誤差が収束性に及ぼす影響の解析と,その結果に基づいた誤差の制御手法を開発することである.3年目は,(本申請で)開発した手法の並列性能を評価すること,大規模計算機環境において開発した手法のパフォーマンスを検証することである. そこで,大規模計算機向け積型解法や共役勾配法のアルゴリズムを設計した.また,アルゴリズム(われわれが開発した解法や従来の大規模計算機向け解法)の内積演算から発生する丸め誤差が収束スピードに与える影響を数理的に解析した.そして,その解析結果から従来の誤差の制御手法が大規模計算機向けアルゴリズムにも適用することができることを明らかにした.さらに,研究分担者が一部の大規模計算機向けアルゴリズムの並列性能を調査した. 一方,コロナ禍で昨年同様,国内の研究分担者,海外の研究協力者と対面にて研究交流ができていないこと,また家庭の事情により,開発した手法の並列性能評価について十分に取り組むことができなかった.すなわち,1年目,2年目の研究計画はほぼ達成でき,3年目の研究計画はまだ十分に達成できていない.そのため,やや遅れている.
|
Strategy for Future Research Activity |
大規模計算機環境の性能を活かすための積型解法や共役勾配法のアルゴリズムを設計した.また,われわれが開発した解法や大規模計算機向けに開発された解法の内積演算から発生する丸め誤差が収束スピードに与える影響を数理的に解析した.そして,その解析結果から従来の誤差の制御手法が大規模計算機向けアルゴリズムにも適用することができることを明らかにした.さらに,研究分担者が一部の大規模計算機向けKrylov空間法の並列性能を調査した.すなわち,大規模計算機環境を活かすためのKrylov空間法の設計,丸め誤差の影響の解析,また誤差の制御手法の開発,一部の並列性能評価について進めることができた.しかし,当初の研究計画,すなわち複数プロセッサ,コアを用いた数値実験によって開発したアルゴリズムの収束スピード,計算時間,並列化効率についてまだ十分に調査,明らかにしていない.そこで,購入した複数コアを搭載した最新の計算機を用いて,われわれが開発したアルゴリズムの並列性能,並列化効率などを評価する.さらに,研究分担者,海外の研究協力者と対面による研究打ち合わせを実施し,われわれが開発した解法の基本的な収束性の検証,アルゴリズムの推敲,並列化効率などの検証を進める.また,ワークショップなどの会議を実施し,研究成果をまとめ,頒布する.
|
Report
(4 results)
Research Products
(9 results)