自閉スペクトラム症児における「他者との同期」現象の定量化
Project/Area Number |
19K14189
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 09030:Childhood and nursery/pre-school education-related
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Research Institution | Kumamoto Health Science University |
Principal Investigator |
井崎 基博 熊本保健科学大学, 保健科学部, 准教授 (60780210)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2021: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2020: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 心の理論 / 視線 / アイトラッカー / 2次的信念 / 心的状態 / 自閉スペクトラム症 / 会話 / 敏感性 / 親の鋭敏性 / 自閉症スペクトラム障害 / 視線行動 / アイコンタクト / 呼吸 / 同期 / コミュニケーション |
Outline of Research at the Start |
近年、自閉スペクトラム症(ASD)の本態を「他者との同期の困難さ」とする説(生体機能リズム障害説)が注目されている。そこで本研究では、実際のコミュニケーション場面でASD児が対話者と「目が合わないこと」や「息が合わないこと」について定量的に捉える。さらに、場面によって同期の困難さが異なることを示すことで、ASD児にとって同期しやすいコミュニケーション環境を考える。
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Outline of Annual Research Achievements |
研究① 定型発達児とその親の視線の同調 親子の会話場面と親子の協同課題場面での同調について調べるために、視線の分析を行った。小学2年生の子どもとその親のペア24組からデータを収集できた。親子の会話場面および共同課題場面での視線の分析の結果、子どもから親に語り掛ける場面、課題が困難な場面、課題に達成した場面で親子の視線が同調しやすかった。それ以外の場面では個人差が大きく、同調が起きやすい親子と起きにくい親子がいることが分かった。 研究② 親子の同調と親の語りと子どもの心の理論の関係 幼児期の親子の会話において心的状態について話題にすることは、心の理論の発達に影響を与えると考えられている。しかし、心の理論がさらに発達する学童期において、親子の会話が2次的信念の理解に影響しているのかはよくわかっていない。そこで、小学2年生の子どもを持つ親の心的状態についての語りと子どもの2次信念の理解に関する課題の回答の関係について明らかにした。①の協同課題場面において、親の語りに特徴があることが分かった。親が親自身の心的状態について言及した発話の量を測定した。心的状態についての語りが多かった親(P-High群)と少なかった親(P-Low群)に分けた。P-High群が10名、P-Low群が14名になった。P-High群のほうが視線の同調が生起しやすかった。P-High群の子どもはP-Low群の子どもに比べて2次信念に対する言及が多かった。つまり、親子の会話において親が親自身の心的状態について語ることを通して、子どもの心の理論の発達が促進されると考えられる。 2022年度内に研究をまとめることができなかったので2023年7月の日本コミュニケーション学会にて研究をまとめて報告する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
実験データ収集が遅れているため、全体的な研究計画が遅れている。 2022年8月に自閉症スペクトラム障害児へのデータ収集を行う予定であったが、COVID-19の影響で予定していた施設からの許可が下りなかったため、データ収集が遅れている。比較群である定型発達児のデータ収集は全て完了したので、定型発達児の分析から行い、学会等で発表することとなっている。
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Strategy for Future Research Activity |
COVID-19が5類に変更したことをきっかけに、自閉症スペクトラム障害児のデータを収集することができるようになり、2023年7-8月に実験を再開する。実験内容は2022年度に定型発達児に行った内容と同様のものを行う。2022年度中までに実験に必要な物品は全て購入済であるので、今年度は予定通り研究を進めることができる。
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Report
(4 results)
Research Products
(9 results)