プラズマ乱流がマイクロ波伝播に及ぼす影響の実験的解明
Project/Area Number |
19K14688
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 14020:Nuclear fusion-related
|
Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
矢内 亮馬 核融合科学研究所, ヘリカル研究部, 助教 (40824743)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2021: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2020: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
|
Keywords | ECH / マイクロ波 / プラズマ乱流 / 電子サイクロトロン共鳴加熱 |
Outline of Research at the Start |
プラズマ中でのマイクロ波の伝播はプラズマのパラメータによって変化する屈折率に影響を受けるが、乱流のような時間的・空間的に不規則なパラメータ変化が存在すると、マイクロ波は一定方向には散乱されず、広がりをもって伝播してしまう。その結果ビーム形状の変化、プラズマのビーム吸収などに影響が生じる。本研究では乱流下におけるマイクロ波散乱をビームの広がりとして実験的に計測し、乱流中でのマイクロ波伝播の物理解明・モデル構築に貢献する。
|
Outline of Annual Research Achievements |
プラズマ乱流により生じる密度揺動により、プラズマ中を伝播するマイクロ波が散乱されビームが広がってしまう現象が、ECHによるプラズマ加熱に与える影響を評価することは、正確な加熱・電流駆動を行うために必要であり、核融合炉実現に向けて重要である。そのため国内で稼働中の磁場閉じ込めプラズマ装置の中で、最大規模の装置である大型ヘリカル装置LHDにおいて、以前に実施した実験結果を解析し、プラズマの乱流に起因する密度揺動に伴うビームの広がりを電子温度分布の変化から評価しようと試みた。しかし、現状得られている実験データの解析では密度揺動によると考えられる影響を評価するには至らなかったため、LHDでの実験に基づいた電磁界シミュレーションによる評価を行うこととした。磁場に垂直なECHビームの伝播を模擬した2次元の電磁界シミュレーションを実施するモデルを構築し、プラズマの密度揺動の空間構造の影響を評価するとともに、PCI計測に基づくプラズマの密度揺動を取り入れてLHD実験を一部模擬したシミュレーションを行った。初期のプラズマのモデルにバグがあり、ECHを模擬したマイクロ波ガウシアンビームの広がりを過大評価してしまう問題があったが、現在は解決でき、妥当と考えられる結果を得られている。今後、このシミュレーションを活用してLHD実験でのパラメータに基づく評価を行ない、ECHビームがプラズマ乱流によって受ける影響が、現状の実験データで解像可能な範囲にあるのかについて評価を進める。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
プラズマ実験によりECHのパワー吸収からビームの広がりを評価することが現状のデータでは難しいため、実験的に評価するためには別の手法を検討する必要がある。実験データに基づく、電磁界シミュレーションについては、初期に構築したモデルにバグがあり、計算結果で密度揺動の影響が課題に評価されることが判明し、研究の進展に遅れが生じたが、その問題は解決し、基本的な2次元のモデル構築が完了したと考えている。今後より詳細にLHD実験でのパラメータを取り込んで評価を行う。
|
Strategy for Future Research Activity |
マイクロ波プローブビームを利用してLHD実験での評価ができないかを現在検討中であり、これにより実験での評価を行おうと考えている。電磁界シミュレーションについては2022年度に簡易モデルによる解析を実施、妥当性を確認していた。2023年度はそのモデルをさらに発展させ、よりLHDの実験条件に近いシミュレーションを実施し、ビーム広がりについて評価を行う。さらに現在は2次元シミュレーションであるが、現有の計算資源で可能であれば3次元シミュレーションに拡張することを検討している。
|
Report
(4 results)
Research Products
(2 results)