運転支援システムの導入による行動変化の心的メカニズムの解明:視覚的注意の観点から
Project/Area Number |
19K15245
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 25010:Social systems engineering-related
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Research Institution | Shizuoka Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
紀ノ定 保礼 静岡理工科大学, 情報学部, 准教授 (00733073)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2022: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
Fiscal Year 2021: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2020: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2019: ¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
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Keywords | 運転支援システム / 注意 / リスク補償 |
Outline of Research at the Start |
運転支援システムの導入により、道路利用者の行動や情報処理能力にどのような影響が及ぶかを検証する。特に、主体的なリスク回避行動の減少が認められるかどうかを検証する。ドライビング・シミュレータを用いて、仮想的な交通環境内で実験参加者に運転を行っていただく。交通環境内に運転支援システムを搭載した車両が存在する場合とそうでない場合で、実験参加者の運転パフォーマンスや運転中の情報処理能力を比較し、機序の解明を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
視覚的注意とは、環境内の処理すべき情報を取捨選択する認知的機能を指す。視覚的注意の失敗は、見落としや不適切な行動などを招き、交通事故につながりうる。本研究では運転支援システムの利用がドライバーの視覚的注意に及ぼす影響を明らかにすることを目指した。 レベル3自動運転では、ドライバーは必要に応じて即座に運転状態に戻れることを条件に、運転以外の作業に従事できる場合がある。システムがドライバーに対して運転復帰を要請する際、ドライバーは即座に環境を理解し、適切な行動をとることが求められる。このとき、ドライバーが環境を理解するまでに必要な時間はどれくらいであるかを確かめることが重要である。2022年度にはこの問題に取り組むため実験を行った。 若年者と高齢者を対象に極めて短時間だけ、ドライバー視点で撮影された交通環境の録画映像を提示し、それぞれの映像に対して適当な反応を求めた。実験の結果、ほとんどのドライバーは短時間の映像視聴であっても適当な反応が可能であることがわかった。ただし若年者の方が必要な映像視聴時間が短く、仮にレベル3自動運転システムから運転復帰要請を受けたとしても、相対的により素早く対応が可能である可能性が示唆された。これは先行研究と整合する知見である。さらに本研究が明らかにしたこととして、高齢ドライバーが相対的により長い映像視聴時間を必要とするのは、反応バイアス(特定の反応が生じやすい傾向)ではなく、感度(環境から処理すべき情報を弁別する精度)が関係している可能性が見いだされた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
数百本の映像を加工し実験で提示する映像刺激を作成したことや、大学生に加えて高齢者にご協力いただき実験を実施したことなどから、実験に時間はかかったが、上記「研究実績の概要」で記載したように興味深い知見を得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度には一定の成果を得ることができたが、今後はその再現可能性の確認や、より深いメカニズムの解明を志向したい。2022年度に実施した研究では、多くの映像を実験参加者に提示したが、映像ごとに反応が容易なものや難しいものが混在していたことが判明した。2023年度にはこれらの難易度を調整し、成果の頑健性を確認する予定である。
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Report
(4 results)
Research Products
(11 results)