Project/Area Number |
19K18818
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 56050:Otorhinolaryngology-related
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
永田 善之 日本大学, 医学部, 助教 (70838911)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2021: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2020: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2019: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
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Keywords | 鼻副鼻腔乳頭腫 / IL-33 / ST-2 / ST2 / 上皮間葉転換 / 腫瘍増殖機序 |
Outline of Research at the Start |
鼻副鼻腔乳頭腫(SNIP)は、鼻副鼻腔粘膜上皮から生じる良性腫瘍であるが、術後の易再発性、癌化を誘導するといった側面から 臨床的に治療に難渋する腫瘍である。本研究の目的は、SNIPに発現する分子マーカーの発現を検討することである。近年アレルギー・免疫学において注目されるサイトカインのIL-33およびその受容体であるST2が、腫瘍増殖に関与すると報告されている。本申請では過剰な腫瘍増殖を特徴とする SNIP組織における発現を検討する。SNIPの治療はこれまで、腫瘍の完全摘出が原則であったが、本研究を基盤として腫瘍に発現する分子を標的とした新たな治療法が開発されることが期待できる。
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Outline of Annual Research Achievements |
鼻副鼻腔乳頭腫の症例におけるIL-33およびST-2の発現について検討を行った。正常コントロール症例群(12症例)、慢性副鼻腔炎症例群(22症例)、鼻副鼻腔乳頭腫症例群(24症例)の3群間で、免疫染色における染色性(染色の程度のグレード判定実験)、タンパク質レベル(Western blot法による定量実験)、mRNAレベル(In situ hybridaization法による定量実験)の有意差検定(一元配置分散分析による郡間比較)を行った。免疫染色の染色性について、IL-33は正常コントロールや慢性副鼻腔炎群と比較すると鼻腔乳頭腫群で、染色性の有意差を認めた。しかし、 ST-2に関しては、3群ともに組織の部分的な染色にとどまり、有意差検定において明らかな差は見られなかった。タンパク質レベル、mRNAレベルにおいて検討した結果は類似していた。慢性副鼻腔炎と鼻腔乳頭腫の症例群において、IL-33の発現が両者ともに正常コントロール群と比較して高値であったが、有意差はみられなかった。ST-2に関しては3群間において、発現レベルは低く有意差もみられなかった。これは、タンパク質レベル、mRNAレベルともに同様の結果であった。 本検討では、IL-33は慢性副鼻腔炎でも鼻腔乳頭腫でも 上皮への刺激が起こった結果として発現するタンパク質であり、IL-33は炎症性疾患、腫瘍性疾患ともに類似した動態を示すマーカーであることがわかる。ST-2 に関しては、発現が見られる細胞は免疫染色で確認できなかった。鼻腔乳頭腫における発現を期待したが、これも発現細胞が不明であり、発現していてもごく軽度であり、病態への関与は不明である。 本研究の結果から、鼻副鼻腔乳頭腫におけるIL-33およびST-2の発現は特異的でないことが示唆され、実臨床への本研究データの応用は難しいことが確認できた。
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