タイムラグが誘導する解の特異性形成の機構解明と解のダイナミクスの数理解析
Project/Area Number |
19K21836
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 12:Analysis, applied mathematics, and related fields
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
石渡 哲哉 芝浦工業大学, システム理工学部, 教授 (50334917)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石渡 恵美子 東京理科大学, 理学部第一部応用数学科, 教授 (30287958)
中田 行彦 青山学院大学, 理工学部, 准教授 (30741061)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥6,370,000 (Direct Cost: ¥4,900,000、Indirect Cost: ¥1,470,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2020: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2019: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
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Keywords | 遅延微分方程式 / タイムラグ / 解の爆発 / 周期解 / 安定性 / 解のダイナミクス |
Outline of Research at the Start |
タイムラグを伴う現象の数理モデルとして現れる遅延微分方程式の解の挙動の解析を行う。 特に、近年本研究グループが発見・解析した遅延誘導爆発現象のように、本質的にタイムラグの 効果が効く現象に焦点を当て、遅延微分方程式の解の多様性の解明とそれを生む数学的機構を明らかにし、その過程でこのような現象・機構を解析するための数理解析手法や数値解析法の 構築・整備を行い、遅延微分方程式の研究の新しい展開を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
前年度に引き続き、遅延微分方程式の解のうち、時間遅れと方程式の非線形性の相互作用により現れる解の爆発現象についての研究を行った。過去の履歴を参照する仕方には、過去の離散的な点の情報のみ参照するものや過去のある区間全体を参照する分布型の時間暮れなどいろいろなタイプがある。この中で、下記の研究を行った。 (1)1つの定数時間遅れを持つ遅延微分方程式と時間遅れのない常微分方程式の対応関係について考察し、同じ非線形性を持つ常微分方程式の解の性質との関連付けを行い、解の爆発がある意味において同一となる条件を明示し、論文化した。更に、特別な場合に説いて解の漸近挙動について考察を行った。 (2)分布型の時間遅れを持つ場合について、その積分カーネルの性質と解の爆発との関連を考察した。カーネルが冪型の場合はすでに結果を得ている(ただし、まだ論文化はしていない。)が、それよりも強い非線形性を持つカーネルについての理論的考察と数値的考察を進めた。特に、これに対するある種の近似問題の考察を行い、その近似問題においては解の爆発を引き起こさない項が、極限においては爆発解の性質に強く寄与するような観測が数値的に得られた。これらについては、理論的にはまだ未解明である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
1つの定数遅延を持つタイプの離散型時間遅れについては考察が進んだが、複数の定数遅延のタイプや比例遅れや状態依存遅れなど他のタイプの離散型時間遅れについてはまだ考察が出来ていない。また分布型時間遅れについては、積分カーネルに解の爆発と非爆発を分ける分水嶺となるカーネルがあるかどうかについて、理論的にはまったく解明できていない。後者については数値的な傍証は少しずつ得られているものの、理論的考察はこれからとなる。これらについては、まだ既知の結果が皆無であることもありまったく新しい試みとなるため、次年度以降の研究目標としたい。
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Strategy for Future Research Activity |
離散型時間遅れについては、1つの定数遅延タイプだけでなく、複数の定数遅延のタイプや比例遅れや状態依存遅れなど他のタイプの離散型時間遅れについての考察を進める。また、分布型時間遅れについては、積分カーネルに解の爆発と非爆発を分ける分水嶺となるカーネルがあるかどうかについての考察も引き続き行う。また、これまで扱ったいくつかの方程式(系)においても解構造の全容は得られていない。特に、時間誘導爆発解については特定の初期値に対してのみ示されている状況であるので、引き続き爆発解や周期解などの考察を進める。 なお、2023年度には応用数学の国際会議であるICIAM2023が東京で開催され、本課題代表の石渡およぶ分担者の中田は、他の時間遅れの研究者と共に時間遅れの数理に関するミニシンポジウムを開催し、内外の研究者と時間遅れについて議論を行い、本研究課題の活動をより活性化する予定である。
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Report
(4 results)
Research Products
(36 results)