直流電気通電による軸索再生促進効果を利用した新しい治療法の確立
Project/Area Number |
20650085
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Rehabilitation science/Welfare engineering
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
北條 達也 Doshisha University, スポーツ健康科学部, 教授 (40298740)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 浩芳 京都府立医科大学, 医学研究科, 助教 (90381962)
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Project Period (FY) |
2008 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2009: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2008: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | 理学療法学 / 物理療法学 / リハビリテーション / 神経再生 |
Research Abstract |
本研究の目的は、直流電気刺激を利用した、新たな末梢神経再生治療法を開発することである。軸索伸長速度は約0.5mm~1mm/日と非常に遅いため、その間に効果器官の萎縮変性などが生じ、損傷前の状態への回復は困難である。軸索再生を促進するため、直流電流刺激に着目した。電気通電は、骨癒合促進への応用など物理療法として安全な治療法の一つとなりつつあり、in vivoで末梢神経の軸索再生を促進することは報告されているが、末梢神経再生治療への応用は確立でされていない。われわれは、シリコンシートを用いたオリジナルの電極を考案・作成し、Wistar系雄ラット10週齢を用いて、坐骨神経の圧挫損傷後の再生過程における効果を解析した。圧挫部を挟んでシート電極を装着し、パルス幅500μs,頻度10Hz,強度10V,通電時間15分の条件で毎日通電を行い、損傷後7日目,14日目にサンプルを回収した。損傷のみ群、損傷後末梢陰極通電群の2群で検討した。Neuregulin-1(NRG-1)およびBrain Derived Neurotrophic Factor(BDNF)のmRNA発現レベルをReal time PCR法で解析したところ、末梢陰極通電群でコントロール群に比べ、有意な上昇を認めなかった。われわれは平成20年度の研究で、NRG-1の発現上昇をタンパクレベルで示している。この結果は、神経栄養因子は、主に細胞体で産生され、軸索先端へ輸送されることを示しており、損傷部での電気刺激が、何らかのシグナルを介して細胞体へ伝達され、神経栄養因子が産生され、その後再生軸索へ輸送された可能性を示唆しており、直流電気通電の臨床応用へ向けて、重要な知見になると考える。この結果をふまえ、現在英文論文を作成中であり、さらに具体的な応用へ向けて研究を継続している。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)