Project/Area Number |
20H00184
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Medium-sized Section 17:Earth and planetary science and related fields
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
大竹 翼 北海道大学, 工学研究院, 教授 (80544105)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田 章純 東北大学, 理学研究科, 助教 (10633638)
杉谷 健一郎 名古屋大学, 環境学研究科, 教授 (20222052)
AGANGI ANDREA 秋田大学, 国際資源学研究科, 教授 (20840812)
掛川 武 東北大学, 理学研究科, 教授 (60250669)
大友 陽子 北海道大学, 工学研究院, 助教 (80612902)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥44,720,000 (Direct Cost: ¥34,400,000、Indirect Cost: ¥10,320,000)
Fiscal Year 2023: ¥5,460,000 (Direct Cost: ¥4,200,000、Indirect Cost: ¥1,260,000)
Fiscal Year 2022: ¥14,300,000 (Direct Cost: ¥11,000,000、Indirect Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2021: ¥13,910,000 (Direct Cost: ¥10,700,000、Indirect Cost: ¥3,210,000)
Fiscal Year 2020: ¥11,050,000 (Direct Cost: ¥8,500,000、Indirect Cost: ¥2,550,000)
|
Keywords | 科学掘削 / 縞状鉄鉱層 / 光合成 / 地球表層環境 / 安定同位体 / 鉱物分離 / 光合成細菌 / 国際掘削プログラム / 微化石 / 有機炭素 |
Outline of Research at the Start |
地球表層に酸化的変えた酸素発生型光合成生物の発生時期は特定されておらず, どのように進化してきたかも明らかになっていない. 本研究課題では, 地球システムのターニングポイントであった32億年前の沿岸域環境に関する情報を保持した南アフリカ・バーバトン緑色岩帯ムーディーズ層群において国際大陸掘削プログラムを実施する. ムーディーズ層群に胚胎される縞状鉄鉱層の化学組成, 同位体組成から浅海域の酸化還元環境を, 砕屑性堆積岩の化学組成, 鉱物学的分析から大陸地殻の化学的性質や風化過程を, 炭素質物質・微生物化石の形態や化学構造, 同位体組成から微生物生態系を明らかにする.
|
Outline of Annual Research Achievements |
R4年度はR3年度から引き続きバーバトンにて科学掘削が行われた。最後の掘削コアとなるsite 1では500m近くの掘削に成功し、ムーディーズ層群のうち最下層であるMdS1層の一部化学堆積物を含む砕屑性堆積岩を採取することができた。さらに上部のMdS2層では今回の掘削コアの中では最も深海部で堆積したと考えられる頁岩層の採取にも成功した。日本チームも11月に現地を訪れ、掘削後の現地の様子や周辺露頭の調査を行った。掘削コアは計8本, 総延長は3131mにわたる。32億年前の最古の沿岸域から深海底の砕屑性・化学性の堆積岩を網羅する新鮮な岩石試料を採取できたことは大きな科学的成果だと言える。国際共同プロジェクトとして共通の成果とするため、現地の代表チームにて掘削コアの岩石学的な記載が行われた後、コアを2分割し、半分はドイツ、ベルリンにあるBGRのコアセンターに輸送された。現在は非破壊分析による全岩化学組成のデータを収集しているところであり、岩石記載データと合わせて解析を行う。これまでに採取している露頭や稼行中の鉱山で採取済みの岩石試料では、これまで鉄やクロムの安定同位体比はバルク試料での分析のみを行っていたが、ホスト鉱物ごとの同位体比を明らかにするために、磁力選別や比重選別などの物理的な手法によって鉱物の選別を試みた。しかしながら、鉱物の粒径が小さすぎたため100%に近い鉱物の単体分離は困難であることが分かった。今後は化学的な抽出方法を検討する必要がある。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナ感染拡大のため予定よりも一年ほど遅れて掘削が開始されたが、当初1つのドリルリグのみでの掘削計画であったところを2つのリグを手配し2カ所を同時に掘削することで遅れはかなり取り戻した。R4年度で全ての掘削を終えることができたのは新型コロナ感染の影響が二年以上あったことを考えると全体的な計画はおおむね順調に進展していると言える。掘削コアの岩石記載や非破壊での主要化学組成分析もおおむね終えており、各国への試料の分配もR5年度には行われる予定になっている。各種分析法については引き続き検討が続けられており、ほぼ確立されているが、鉱物の分離法についてはまだ検討が必要である。化学的な処理法について来年度検討を行う。
|
Strategy for Future Research Activity |
岩石記載と主要化学組成データを総合的に解析し、各国への分配試料の検討・調整を行う。採取した試料はこれまで露頭や鉱山で採取した試料と同様の処理を行い、各種分析を行う。鉱物分離の検討は、最近発表された酢酸を用いた抽出法を本研究室でも検討する。得られた成果について学会発表、論文投稿を行う。
|