Project/Area Number |
20H00210
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Medium-sized Section 18:Mechanics of materials, production engineering, design engineering, and related fields
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
田口 敦清 北海道大学, 電子科学研究所, 准教授 (70532109)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石飛 秀和 大阪大学, 生命機能研究科, 准教授 (20372633)
田中 慎一 呉工業高等専門学校, 自然科学系分野, 准教授 (30455357)
田口 智清 京都大学, 情報学研究科, 教授 (90448168)
笹木 敬司 北海道大学, 電子科学研究所, 教授 (00183822)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥44,850,000 (Direct Cost: ¥34,500,000、Indirect Cost: ¥10,350,000)
Fiscal Year 2022: ¥14,430,000 (Direct Cost: ¥11,100,000、Indirect Cost: ¥3,330,000)
Fiscal Year 2021: ¥15,860,000 (Direct Cost: ¥12,200,000、Indirect Cost: ¥3,660,000)
Fiscal Year 2020: ¥14,560,000 (Direct Cost: ¥11,200,000、Indirect Cost: ¥3,360,000)
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Keywords | 二光子重合 / 深紫外 / 金属 / 深紫外吸収 / 金属ナノクラスター / PAMAMデンドリマー / コラーゲン / フェムト秒レーザー / 第二高調波発生 / アクリレート / 金属酸化物 / アミノ酸 / イニシエーターフリー / 金属造形 / 3次元プリンター |
Outline of Research at the Start |
これまで常識的に近赤外光励起が使われてきた「二光子重合」を深紫外領域に展開し、光と物質との光化学的な相互作用を活用した新たな二光子造形技術を開拓する。具体的には、従来の樹脂から金属・半導体を含む無機材料および生体適合材料へと材料を拡張し、さらに、イニシエーターフリーで材料純度を乱さないナノ造形技術を確立し、マルチマテリアル対応の立体ナノ構造作製技術(三次元ナノプリンティング)を確立する。励起光場の時空間制御による特異な反応場形成を活用し、物質の微視的秩序創成とそのナノ構造化によるデバイス創造へと展開し、ナノサイエンス、ナノデバイス工学、ナノ材料科学、ナノバイオ医療工学への貢献を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、これまで常識的に近赤外光励起が使われてきた「二光子重合」を深紫外領域に展開し、深紫外吸収を利用した光化学的な物質変換相互作用により、二光子造形の対象を樹脂、金属・半導体を含む無機材料や生体適合材料へと拡張することを目的としている。これにより、物質合成とナノ構造構築を統合し、マルチマテリアル対応の立体ナノ造形の手法を確立する。同時に、光と物質とのコヒーレントな相互作用にも着目し、励起光ベクトル場による反応場形成を活用して、キラル物質などの微視的秩序創成とそのナノ構造化によるデバイス創造へと展開する。さらに、原子・分子をボトムアップで積み上げる原子スケールのナノ構造製造技術の創出を視野にいれ、レーザー捕捉技術を組み合わせた原子組立技術を開拓し、ナノサイエンス、ナノデバイス工学、ナノ材料科学、ナノバイオ医療工学への貢献を目指す。 本年度は、金属ナノ粒子やフラーレンなどのナノ物質をレーザー捕捉、重合することで、ナノ物質をボトムアップ的に構造化することを目指した。PAMAMデンドリマーを使って金ナノクラスターを合成し、その特性を電子顕微鏡による形態観察や吸収分光で評価し、二光子重合への適応性を検討した。また、デンドリマー同士を重合させるために用いるデンドリマー末端の官能基修飾についても検討を開始し、官能基の吸収スペクトルと 重合反応の観点から官能基の選定を進め、選定した官能基のデンドリマーへの導入を試験的に進めている。また、生体適合材料としてコラーゲンの二光子重合を検討し、ラマン散乱顕微鏡を用いたその場観察から、コラーベン分子の光重合過程の解析を進め、最適な入射光パワーや反応時間を見い出すことに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、金属ナノ粒子(スフェア、キューブ、ロッド)やナノチューブ、フラーレンなどのナノ物質をレーザー捕捉、重合することで、ナノ物質をボトムアップ的に構造化することを目指し、金属ナノクラスターの合成を進めた。分担者と協力し、PAMAMデンドリマーを使って合成した金ナノクラスターのサンプル提供を受け、電子顕微鏡による形態観察や吸収分光による光学特性評価および二光子重合への適応性を検討した。特に、PAMAMデンドリマーを用いた合成方法を応用すれば、原子数個の金属ナノクラスターや、それよりもサイズが大きい直径が数ナノメートルのナノ粒子まで、さまざまなサイズのナノ粒子の作製を行えることを確認できたことは大きな成果である。また、デンドリマー同士を重合させるために用いるデンドリマー末端の官能基修飾についても検討を開始し、官能基の吸収スペクトルと 重合反応の観点から官能基の選定を進めた。さらに、選定した官能基のデンドリマーへの導入を試験的に進めている。さらに、分担者と協力し、光照射したデンドリマーの自己組織化によるパターン形成についても検討した。これは、光捕捉したデンドリマーを高精度に構造化するために必要な流体力学的モデル構築をえるための基礎材料として活用できると考えている。また、生体適合材料としてコラーゲンの二光子重合を検討し、ラマン散乱顕微鏡を用いたその場観察から、コラーベン分子の光重合過程の解析を進め、最適な入射光パワーや反応時間を見い出すことに成功し、着実な進展があったと評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
1) 今年度に実施したデンドリマー・金属ナノクラスター複合体を用いた二光子重合と構造作製を進める。金属構造のサイズ、精度評価やその光学特性、プラズモン効果を分光的にも確認する。原子スケールの超高精細な金属細線構造の作製に挑戦し、3次元構造体の機械特性、化学的性質、光学的性質を調べる。メタマテリアル構造作製への応用を進める。 2) 光場の中での原子・分子のダイナミックな運動力学を理解に向けて、光と分子動力学と化学を融合したマルチフィジクス解析を進める。連続体近似が崩れたミクロスケールの粒子群が示す非平衡な振る舞いを、ボルツマン方程式に基づく希薄気体力学により数理的にモデル化する。さらに、原子・分子の微視的現象からオペレーターが制御可能な巨視的な機械的量へと橋渡しをするスケールインターフェースの確立や、ミクロ側とマクロ側の情報幾何学の融合による連続体モデルの構築なども視野にいれ、一連の生産技術要素を有機的に連結・連動させる総合的なナノ製造技術体系の構築を目指す。
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Report
(3 results)
Research Products
(18 results)