Project/Area Number |
20H00646
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Medium-sized Section 64:Environmental conservation measure and related fields
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
高橋 真 愛媛大学, 農学研究科, 教授 (30370266)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水川 葉月 愛媛大学, 農学研究科, 准教授 (60612661)
国末 達也 愛媛大学, 沿岸環境科学研究センター, 教授 (90380287)
加 三千宣 愛媛大学, 沿岸環境科学研究センター, 准教授 (70448380)
藤森 崇 龍谷大学, 先端理工学部, 准教授 (20583248)
鈴木 剛 国立研究開発法人国立環境研究所, 資源循環領域, 主幹研究員 (70414373)
橋本 俊次 国立研究開発法人国立環境研究所, 環境リスク・健康領域, 室長 (80321719)
家田 曜世 国立研究開発法人国立環境研究所, 環境リスク・健康領域, 研究員 (40761078)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥44,980,000 (Direct Cost: ¥34,600,000、Indirect Cost: ¥10,380,000)
Fiscal Year 2023: ¥9,620,000 (Direct Cost: ¥7,400,000、Indirect Cost: ¥2,220,000)
Fiscal Year 2022: ¥9,620,000 (Direct Cost: ¥7,400,000、Indirect Cost: ¥2,220,000)
Fiscal Year 2021: ¥12,220,000 (Direct Cost: ¥9,400,000、Indirect Cost: ¥2,820,000)
Fiscal Year 2020: ¥13,520,000 (Direct Cost: ¥10,400,000、Indirect Cost: ¥3,120,000)
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Keywords | 残留性有機汚染物質 / 有機ハロゲン化合物 / マスバランス解析 / 包括網羅分析 / 毒性同定評価 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、国内の湖沼・沿岸の堆積物柱状試料および愛媛大学の「生物環境試料バンク」に保存されている野生動物の組織試料を活用し、近年国際的に注目されている残留性有機汚染物質(POPs)およびその類縁化合物について先端分析機器による一斉網羅分析を実施し、汚染実態の時系列評価や発生源解析を行う。加えて、残留性有機ハロゲン化合物の包括指標として総有機態ハロゲンに着目し、個別物質や化学形態別の分析結果と統合することで、既知/未知物質のマスバランスを時系列的に解析する。さらにin vitro生物試験を活用して毒性寄与物質の探索・同定を行い、POPsおよび潜在的毒性物質の生態リスクについて包括的に評価する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、研究実施計画に従い、サブテーマ1~5において下記の研究内容を実施した。 サブテーマ1では、新たに有機フッ素化合物(PFASs)の一斉分析法を開発し、堆積年代解析済みの底質コア試料を対象としたPFASsの測定と時系列トレンドの解析を行った。また、AIQSDBによる環境汚染物質約1000種類の一斉スクリーニング法を底質コア試料やダスト試料に適用するための各種検討を実施した。サブテーマ2では、野生高等動物に蓄積する水酸化PCBs等の一斉分析法を開発し、野生鳥類におけるPCBs代謝物測定と蓄積特性の解析を実施した。また、前年度開発したリン系難燃剤についても野生鳥類に関する調査を進め、その生物蓄積性が臭素系難燃剤よりも低いことを明らかにした。サブテーマ3では、前年度に引き続き底質コア試料を対象とした溶媒抽出可能な有機態塩素(EOCl)と有機態臭素(EOBr)のマスバランス解析を進めた。また、トビ等の野生鳥類を対象としたEOCl・EOBrの定量を実施し、サブテーマ2における結果と統合しながら、生物相における既知・未知有機ハロゲンのマスバランスプロファイルを解析した。サブテーマ4では、Arイオン化法とEI法を併用した環境試料網羅分析手法を底質コア試料に適用した。広範囲の精密質量スペクトルを包括的に解析した結果、人為起源有機ハロゲン化合物だけでなく、天然起源の有機ハロゲン化合物を高感度に検出することに成功した。サブテーマ5では、前年度に引き続き、底質コア試料を対象としたAhRアゴニスト活性(Bio-TEQ)の測定と寄与物質の解析を行った。具体的には前年度の別府湾の底質コア試料に加え、大阪湾底質コア試料のBio-TEQの測定を進め、時系列トレンドおよび寄与物質の地域差について解析を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書に記載した「研究実施計画」にしたがって、研究は概ね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度も研究実施計画にしたがって、研究を推進する。具体的には、サブテーマ1において、底質コア試料を対象とした代替難燃剤や次世代PFAS等の測定を進めるとともに、これまでのPOPs・OHCsの測定データを取りまとめ、経年的な発生源寄与の変化等を物質群ごとに解析する。サブテーマ2においても引き続きトビ・カラス・ネコ・イノシシ等の生活圏近傍動物種(シナントロープ)を対象としたOHCsの一斉分析や次世代PFAS等の測定を進め、POPs・関連OHCsの曝露ルートや生物濃縮特性について評価する。また一部生物試料を対象にGCxGC-HRTOFMSによるOHCsの網羅分析を行い、生物蓄積性の新規関連化合物の同定・定量を試みる。サブテーマ3では、生物試料を対象とした有機態塩素(EOCl)と有機態臭素(EOBr)に対する定量を進め、サブテーマ2のデータと統合しながら、既知・未知の有機ハロゲン化合物に関するマスバランスを解析し、生物種ごとの蓄積プロファイルの特徴や時系列的なトレンドを明らかにする。サブテーマ4では、既報でOHCsが測定された底質コア試料等についてOHCの網羅的探索と時系列解析を行い、過去からの汚染(分布と消長)を包括的に復元するとともに、環境試料中のOHCs網羅分析法やデータ解析法のノウハウをまとめ、本研究で得られた手法の標準化を進める。サブテーマ5では野生鳥類の肝臓から抽出した化学物質の抗アンドロゲン活性を測定し、サブテーマ2で得られたPCBs等の既知関連物質濃度や網羅分析等で検出された新規物質との関連性を解析し、最終的な毒性同定評価を行う予定である。
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