受精卵への雌性ゲノム継承を保証する哺乳類特有の制御機構
Project/Area Number |
20H03250
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 44010:Cell biology-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大杉 美穂 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (00332586)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥17,810,000 (Direct Cost: ¥13,700,000、Indirect Cost: ¥4,110,000)
Fiscal Year 2022: ¥5,720,000 (Direct Cost: ¥4,400,000、Indirect Cost: ¥1,320,000)
Fiscal Year 2021: ¥5,460,000 (Direct Cost: ¥4,200,000、Indirect Cost: ¥1,260,000)
Fiscal Year 2020: ¥6,630,000 (Direct Cost: ¥5,100,000、Indirect Cost: ¥1,530,000)
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Keywords | マウス / 受精卵 / マウス卵 / 紡錘体 / 第二極体 / 極体放出 / 前核 |
Outline of Research at the Start |
脊椎動物の未受精卵は減数第二分裂の中期で停止しており、遺伝情報をもつ染色体を2セットもつ。受精後にこの2セットの染色体が等分配されると、一方は第二極体として放出され、もう一方が受精卵の中で雌性前核となり、個体の発生に寄与する。本研究は「卵由来の染色体は、どのようにして受精卵に機能的に継承されるのか」という学術的問いに対し、哺乳類特有の制御機構に着目し、マウスを用いて取り組む。
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Outline of Annual Research Achievements |
脊椎動物の未受精卵は減数第二分裂の中期で停止しており、染色体を2組もっている。受精後にこの2組が分配されると、一方は第二極体とて放出され、残りの1組が受精卵の中で雌性前核となり次世代へと伝わる。また、哺乳類の受精卵形成過程は、雌性前核が多核化しやすい特性をもっており、多核化を防ぐ機構を必要としている。 本研究は「卵由来の染色体は、どのようにして受精卵に機能的に継承されるのか」という学術的問いに対し、哺乳類特有の制御機構に着目し て取り組む。すでにマウス卵・受精卵を用いた予備実験により得られている知見に基づき、(I)第二極体を0でも2でもなく1つのみ形成する 機構、および(II)雌性前核の多核化を抑制する機構の詳細について、分子レベルで明らかにすることを目的とする。 (I)第二極体を0でも2でもなく1つのみ形成する機構の解明について:第二極体を1つのみ放出するために必須の紡錘体の回転運動には、カルシウム振動と同期して回転スピードが緩急を繰り返す周期性があることを見出していたが、本年度はその原因を探る過程で、紡錘体の回転中には、回転を駆動することが知られている細胞質流動の方向が一過的に変化することを見出した。。 (II)雌性前核の多核化を抑制する機構について:マウス卵を用いた実験に加え、in vitro実験系の立ち上げを開始した。雌性染色体の代替として用いるためにDNAビーズをヌクレオソームビーズに効率的に変換する方法について検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(I)第二極体を0でも2でもなく1つのみ形成する機構の解明については、細胞質流動の計測を行うために卵細胞をホールディングピペットで固定しながら極体形成の過程をライブ観察する系を確立し、紡錘体の回転運動中に細胞質流動の方向が一過的に変化するという大きな発見に至った。 (II)雌性前核の多核化を抑制する機構については、用いる予定であったKid欠損マウスの数の回復を待つ間に新たにin vitro実験系を立ち上げることにし、順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
(I)第二極体を0でも2でもなく1つのみ形成する機構の解明については、細胞質流動方向の変化と紡錘体回転速度の変化の因果関係を明らかにする。また、細胞質流動や紡錘体回転速度の変化には、受精卵を形成する上でどのような重要性があるのかを検討する。 (II)雌性前核の多核化を抑制する機構については、in vitro実験系を完成させ、Kidによる染色体一塊化にどのドメインが関わっているのかを明らかにする。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)