緑藻の紫外線応答・耐性の分子基盤から紐解く光合成生物の陸上進出
Project/Area Number |
20H03282
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 44030:Plant molecular biology and physiology-related
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
得津 隆太郎 京都大学, 理学研究科, 特定研究員 (60613940)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥17,940,000 (Direct Cost: ¥13,800,000、Indirect Cost: ¥4,140,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2022: ¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2021: ¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2020: ¥7,540,000 (Direct Cost: ¥5,800,000、Indirect Cost: ¥1,740,000)
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Keywords | 紫外線応答 / 緑藻 / 水圏緑藻 / 陸上化 |
Outline of Research at the Start |
我々が普段目にする陸上植物は、どのようにして陸上に進出できたのだろうか? この問いに対して完全な答えはいまだに見つかっていません。植物を代表とする光合成生物の陸上進出は、現在の地球の生物多様性の礎になった一大イベントです。しかし、その中心的役割を果たしたとも言える紫外線応答・耐性メカニズムに関する知見は多くありません。事実、紫外線応答・耐性メカニズムは、現在に至るまで様々な生物で保存されている生理現象である一方、その獲得過程・起源については分かっていません。このような状況を打破するために、本研究では水圏の光合成生物である緑藻類に着目し、光合成生物の紫外線応答の起源・分子進化の解明を試みます。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では「光合成生物の陸上進出(ブレークスルー)の謎に迫るため、水圏光合成生物における紫外線(UV-A)応答・耐性因子を探索する。具体的には、陸上植物と共通祖先を持ち地球上のあらゆる場所に生息する“部分的に陸上化を果たした光合成生物”とも言える緑藻種を用い、その紫外線応答・耐性の分子メカニズムの解明を目的とした。 本年度の実績として、昨年度に引き続き緑藻の紫外線応答遺伝子を利用し、生物発光を指標とした大規模スクリーニング系を構築・実施した。現在までに、1万以上の以上の形質転換体のスクリーニングを完了しており、興味深い表現型を示す変異体を複数取得することができている。得られた変異体について、順次原因遺伝子の同定および表現型解析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度からの進捗として、大規模スクリーニングと並行して、紫外線応答に伴うゲノムワイドな遺伝子転写量、転写開始点変化の解析を行うことで、緑藻野生株における紫外線応答に特化した転写量・転写開始点変化を示す遺伝子群のカタログ化を完了させることができた。これにより、当初の研究計画で着目していた遺伝子転写量の変動のみならず、転写開始点が変化する遺伝子まで範囲を拡大しつつ、緑藻の紫外線応答機構の探索が可能となった。紫外線に応答して転写開始点が変化する遺伝子について、それぞれの転写開始点から発現する遺伝子のタンパク質産物について、細胞内局在観察を進めている。現在までに、転写開始点の変動が細胞内局在変化を引き起こす複数の遺伝子を同定しており、その分子機能の解析を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、大規模スクリーニングを実施し、計画当初の目標である2-3万株の形質転換体の選抜を目指す。これと同時に、既に得られている変異体の原因遺伝子を同定し、緑藻の紫外線応答における分子機能および、それら変異体における紫外線応答表現型を明らかにする。 また、紫外線に応答して転写開始点が変化する遺伝子について、それぞれの転写開始点から発現する遺伝子のタンパク質産物について、当該遺伝子の細胞内機能変化と生理学的意義を評価する。これらに加えて、紫外線に応答して転写量・転写開始点が変動する遺伝子群について、陸上植物、その他の真核生物を対象としたホモロジーサーチを行い、広く保存されている遺伝子については各生物種における変異体作成・表現型解析を行う予定である。
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Report
(3 results)
Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Small RNA-mediated silencing of phototropin suppresses the induction of photoprotection in the green alga Chlamydomonas reinhardtii2023
Author(s)
Yamasaki, T., Tokutsu, R., Sawa, H., Razali, N.N.B., Hayashi, M., Minagawa, J.
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Journal Title
Proc. Natl. Acad. Sci. U. S. A.
Volume: 120
Issue: 18
DOI
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Peer Reviewed
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