Development of efficient continuous flow synthesis method using microwave energy accumulation effect
Project/Area Number |
20H03367
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 47010:Pharmaceutical chemistry and drug development sciences-related
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Research Institution | Gifu Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
佐治木 弘尚 岐阜薬科大学, 薬学部, 教授 (50275096)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 強 岐阜薬科大学, 薬学部, 講師 (70821479)
澤間 善成 岐阜薬科大学, 薬学部, 准教授 (80552413)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥17,810,000 (Direct Cost: ¥13,700,000、Indirect Cost: ¥4,110,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2021: ¥5,460,000 (Direct Cost: ¥4,200,000、Indirect Cost: ¥1,260,000)
Fiscal Year 2020: ¥8,710,000 (Direct Cost: ¥6,700,000、Indirect Cost: ¥2,010,000)
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Keywords | マイクロ波 / エネルギー集積 / 連続フロー反応 / 局所高温反応場 / 官能基変換 / 活性炭 / C-H活性化 / C-C結合形成反応 / 多環芳香族化合物 |
Outline of Research at the Start |
カーボンビーズ(CB)担持Pt触媒カートリッジにMWを照射すると、微弱のMWがCBに集約され、IPAやMCHからの脱水素が安全かつ容易に進行する。すなわちMWを選択的に吸収する素材をエネルギー集約材料として局所反応場を構築することができる。この知見を応用して以下①~③を遂行する。①非環状飽和炭化水素からのエネルギー効率の高い水素取り出し法の確立と芳香族化合物合成法の開発、②MW連続フロー装置を水素発源とした連続フロー精密合成法の確立、③Pt/CBの新規触媒活性探索・触媒金属種と担体を変えた新触媒や反応の開発・MW吸収型担体にMWを集積させた連続フロー式熱的反応システムの構築。
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Outline of Annual Research Achievements |
化学反応の進行にはエネルギーの投入が必要であるが、エネルギーがすべて反応の進行に利用されるわけではなく、大部分は熱などとして周囲に放散される。本研究では、MW連続フロー反応で使用する、石英ガラス製触媒カートリッジに充填した不均一系触媒担体に、シングルモードMW照射下で送液すると、MWエネルギーを溶液流路内の担体素材に局所的に吸収させて、少量のエネルギー投入でフロー流路内に局所高温反応場を形成し、反応系にエネルギーを効率良く供給するシステムを利用している。特に、カーボンビーズ(CB)担持Pt触媒カートリッジでは、MWがCBに選択吸収され、2-プロパノールやメチルシクロヘキサンからの脱水素が容易に進行することを報告している。 採択いただいてからこれまで精力的に継続してきた「非環状炭化水素の環化による多環式芳香族化合物の合成法の開発と反応機構解明研究」は、2022年度までに主たる目標を達成し、連続フロー条件下で進行する、ジアリールアセチレンのPt/CB触媒によるベンズアニュレーション反応を開発することができた。これはMWが媒介するPt触媒的C-H活性化反応を基盤としており、分子内に複数の芳香環を持つ様々な芳香族化合物を、有機半導体などの機能性が期待される多環縮合型の芳香族化合物(クリセン、フルオレン、ベンゾ[a]フルオレン、フルオランテン、トリフェニレンなど)へと選択的に変換することができる。触媒カートリッジ内では、Pt/CBへの選択的(90%以上)MW吸収による局所高温反応場(320-370 ℃)が形成されており、塩基や酸化剤を使用することなく、レドックスニュートラルな条件で環化反応が進行する。この化学変換の進行には「水素ガス」が必須で、「Pt金属の活性化」と、反応溶液を触媒カートリッジから速やかに押し出して「滞留時間を制御して望ましくない副生成物の発生を回避」している
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度からの継続的な研究実施計画である「非環状炭化水素の環化反応による多環式芳香族化合物の合成法の開発と反応機構解明研究」に関しては、基質適用性の充実にも成功して多環芳香族化合物を合成するための、実用的な方法論として確立することができた。論文投稿はリバイス対応にかなりの時間を要したが、最終的にCommun. Chem.誌に発表することができた。さらに、MW照射を利用した「Pt/CBの新規触媒活性探索研究」の展開として、昨年度の「今後の研究の推進方策」として示した、以下3種の研究を主に推進した。 ①Pt/CBや触媒的にMWが媒介して進行する、アジドからの脱窒素を伴うニトリル誘導体の新規合成法: 昨年度冒頭段階で変換収率が低く、方法論として確立する段階に達していなかったが、MW照射量、触媒、溶媒、フローレート、触媒カートリッジの温度制御(MW照射量の自動制御による精密な制御)などを詳細に検討して、70%程度のコンバージョンを達成できるようになってきた。一般化も進み、ベンジルアジド誘導体を除くアリファティックアジドに適用できることも明らかとなってきている。2023年度中に成果を論文公表する予定である。 ②MWを吸収し易い触媒担体を局所エネルギー集積型高温反応場とした反応開発研究: 金属未担持のビーズ状活性炭を利用した局所高温反応場を構築し、熱的に進行する反応開発を目指している。最近の成果として、Phenanthridine骨格の形成反応に収率は低いものの成功している ③脱メトキシ化反応: 10WのMW照射でメトキシ基のメチル基がほぼ瞬時に脱離する効率的な反応の確立をめざして研究を進めたが、反応の進行は基質依存的で、最終的に一般性を出すことができなかったため、開発を断念した。 かかる状況背景から、本研究課題はおおむね順調に進行していると、自己点検評価した
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Strategy for Future Research Activity |
「非環状炭化水素の環化反応による多環式芳香族化合物の合成法の開発と反応機構解明研究」は概ね達成され、論文公表したが、より複雑な多環縮合芳香族化合物の合成と、長時間連続フロー反応の開発を目指す。さらに、MW照射を利用した「Pt/CBのマイクロ波照射下における新規触媒活性探索」として、引き続き以下4種の研究を推進する。 ①Pt/CB触媒的にマイクロ波を媒介して進行する、アジドからの脱窒素を伴うニトリル誘導体の新規合成法を見出し、その一般化を検討している。データも順調に溜まってきているので、スコープとリミテーションを明確にし、反応機構的解析を加えて論文投稿する。 ②「Phenanthridine骨格形成反応(CBのみを使用、収率30%程度まで達成)」の開発研究を遂行する。原料や試薬の共振周波数など多くのファクターが関連するため、なかなか困難ではあるが、10WのMW照射で進行する省エネルギー型方法論としての産業的価値は高いものと考えている。 ③「アリールC-R結合の還元的開裂(プラスチックやリグニン関連物質の分解)反応」の開発研究を遂行する。現時点で、ポリスチレンがエチルベンゼンとベンゼンに効率良く分解することが判っており、反応の定量性を確立する。また、原料や試薬の共振周波数など多くのファクターが関連するためチャレンジングではあるが、リグニンなどのバイオマスの分解(再資源化)も検討する。 ④Pt/CBとメチルシクロヘキサンを組み合わせて、還元性官能基を持つ基質を溶解・送液して、MWが媒介して瞬時に完了する連続水素化反応を確立する。局所高温反応場となったCB上のPt触媒により、メチルシクロヘキサンの脱水素が進行すると同時に、Pt/C触媒的接触水素化反応が進行するシステムで、10W程度のMW照射で、見かけ上メチルシクロヘキサンを還元剤として水素化が進行する連続反応を確立する。
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Report
(3 results)
Research Products
(26 results)