Project/Area Number |
20K00220
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 01070:Theory of art practice-related
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Research Institution | Bunka Gakuen University |
Principal Investigator |
角谷 彩子 文化学園大学, 造形学部, 助教 (30862677)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 民俗芸能 / 衣装 / 翁 / 霜月神楽 / 田楽 / 式三番叟 / 太々神楽 |
Outline of Research at the Start |
従来の民俗芸能研究は、芸態や歴史に着目したものが多く、衣装についての研究は少ない。これまでの自身の研究で、衣装は芸能発生当初から芸態と密接に関わっており、近年の社会環境の変化に伴う衣装の変容は、芸能自体にも影響を及ぼすことが分かった。本研究では、民俗芸能の衣装の製作(技法や材料)と意匠(文様や形態)の2観点から、記録資料の蓄積および相互比較を目的とした衣装の実地調査と科学分析を行う。対象は「翁」の演目に限定し、愛知・長野・静岡県の「霜月神楽」と「田楽」の衣装とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は民俗芸能の衣装に着目し、実物調査と科学分析を通して、衣装の製作と意匠に関する記録資料の蓄積、および衣装の相互比較を行うことを目的としている。 2023年度は実地調査を中心に進め、①花祭6ヶ所、②田楽4ヶ所、③式三番叟4ヶ所(うち1ヶ所は人形芝居)、④太々神楽1ヶ所において、「翁」の衣装および道具の実物調査と聞き取り調査を実施した。①に関しては、2023年11月3日に開催された「花祭フェスティバル」への参与観察と、「花祭会館」にて既に廃絶した地区の衣装および道具の見学も併せて行った。 翁の衣装の調査結果を比較したところ、①②は衣装が演者の家系(身分)に準じた役割によって決定され、③④は演目や役柄の性格に応じた衣装が割り当てられることが明らかとなった。前者は芸能の神事的要素が衣装決定に影響したものと思われ、衣装は地区によって形態や模様が異なる。後者は芸能の演劇的要素が衣装にも反映されており、全地区を通して形態や模様に共通点が見られた。採物や面を含む道具類に関しては、①②③④全地区において翁を含む演目で専用のものが用いられていたが、その形式は①②と、③④で相違することが確認された。③の衣装および道具は能楽の式三番からの影響が窺われるものであり、また人形芝居と人間が演じるものとの間に大きな違いは見られなかった。 今年度の研究成果として、口頭発表を2件行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2020・2021年度は新型コロナウイルス感染症の影響を受け、2022年度は産休・育休取得により研究を中断したため、予定していた実地調査の大部分を実施することが出来なかった。 2023年度は幾つかの実地調査を進めることができたが、残りの調査および衣装の分析は未だ実施出来ていない状況である。そこで、研究期間の延長を申請し、2024年度まで研究を延長することが認められた。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は継続して実地調査を行うと共に、前年度に実地調査を行った中から、幾つかの衣装に対して科学分析を実施する予定である。また研究成果を整理し、論文執筆や学会発表など外部に向けて公表する。
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