Project/Area Number |
20K01224
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 04030:Cultural anthropology and folklore-related
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Research Institution | Bunka Gakuen University |
Principal Investigator |
糸林 誉史 文化学園大学, 服装学部, 教授 (60301834)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 在圭 静岡文化芸術大学, 文化政策学部, 教授 (80318815)
山崎 功 佐賀大学, 芸術地域デザイン学部, 教授 (60267458)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2021: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | 市場的配置 / 価値実践 / 伝送染織 / マレーシア / 沖縄 / 韓国 / 内発的発展 / 伝統染織 / 社会的ネットワーク / アクター・ネットワーク / 価値研究 / 経済人類学 / パブリックヒストリー / デジタルヒストリー / コミュニティアーカイブ / 東南アジア / 東アジア |
Outline of Research at the Start |
本研究が目指すのは,沖縄・韓国・マレーシアの伝統染織を対象として,新しい経済社会学の「市場の人類学」のアプローチによって,内発的発展論の市場観の異なる論者の乖離の背景となる真正性の持つ根本的な逆説に焦点を当て,旧来の「市場=インターフェイス」観から「価値づけ(過程、実践的側面)」研究への転換により,多様なアクターからなるネットワーク(市場的配置)として市場を捉えることで分析し,市場のブラックボックスをこじ開けることである。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、沖縄・韓国・マレーシアの伝統染織の産品の人・モノのソーシャル・ネットワークの社会調査と分析を主な研究方法としている。コロナ禍のため海外渡航が叶わなくなり、研究計画前半の2年半に渡り、収集資料の再分析のみに限定された。 研究の目的は、伝統染織の産品が安定・固定した弁別的特性を「内包している」と考えるよりも,事物とコモンを媒介する価値実践の過程が伝統産品の「真正性」そのものを作り上げていることを明らかにすることである。今年度は2か国の現地調査がやっと実施できた。 1.媒介者と歴史的状況:「媒介者」(沖縄では地域問屋、韓国では市場)が価値実践において重要な役割を果たしていることが、聞取り調査および一次資料により裏付けられた。特に沖縄においては、伝統の復興を推進した村長の100点に及ぶ個人記録を発掘できたことにより、従来明らかでなかった価値実践の過程を詳細に記述できることが期待できる。 2.伝統染織の真正性の構築にどのような媒介者(人・モノ) が関与し,役割を担ってきたのかについて、道具や材料に関する広範囲な聞き取り調査を実施できた。その結果、自治体史や公的な記録では記述されていない広範囲な人・モノの関わりのネットワークが明らかになった。 3.質的分析ソフト(Nvivo13)を新たに導入して、これまでの質的研究の調査データをすべてAtlas tiから移し替えた。本ソフトにおいてはAIによる通時的な分析なども可能になり、これまでの聞き取り調査の分析精度を一層高めること成功した。 以上のように研究計画前半の遅れを取り戻しつつあるが、マレーシアの従事者が高齢により廃業するなど調査計画の完遂にはいまだ時間を要する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
コロナ禍での長期間の海外渡航の断絶、対面調査の実施困難のため、研究計画前半の遅れを取り戻すまでには至っていない。延長期間を最大限に活用して研究計画の完遂に向けて邁進したい。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナの収束後、対面調査や海外渡航が可能になったが計画全体の大幅な見直しが必要となった。韓国に関しては計画の50%を遂行できたが、マレーシアに関しては、調査対象者を新たに見つける必要に迫られている。 1.現地の協力者とのオンラインによる聞取り調査を試行している。社会調査の一部はオンライン調査を実施することにより、研究期間の大幅な短縮が期待できる。 2.これまで収集した一次資料と聞き取り調査等の質的データの蓄積を、AIを搭載した質的分析ソフトウエアを最大限に活用することにより、精度の高い分析を行うことで質的な見直しを図りたい。
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