企業間関係性の再検討:B2B-EC化とマルチ・チャネル化の進展と関係性研究の変容
Project/Area Number |
20K01974
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 07090:Commerce-related
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
原 頼利 明治大学, 商学部, 専任教授 (30366900)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 企業間関係 / マルチ・チャネル / デュアル・チャネル / B2Bマーケティング / 資源コンフィギュレーション / 企業間コーディネーション |
Outline of Research at the Start |
企業間取引におけるeコマース化、マルチ・チャネル化が進展する中で、流通チャネルや生産財市場における企業間関係性は質的に変化し、その研究も変容してきた。近年、企業間関係性研究において、信頼やコミットメントに焦点を当てた従来の研究に代わって、企業間関係において各企業の持つ異質的な資源をどのように結合するのか、企業間のコーディネーションを如何に行うか、それらを環境の変化に合わせてどのように変えてゆくのかという問題が、より重要な研究課題となっている。本研究課題の目的は、企業間における資源コンフィギュレーションとコーディネーション統合のパフォーマンス効果に関する実証研究を行うことである。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、マルチ・チャネル・システムにおける企業間関係のガバナンスの問題に取り組んでいる。同じ製品・サービスの流通のために複数の異なる販売チャネルを併用することはマルチ・チャネル戦略と呼ばれるが、マルチ・チャネル・システムには、製造業者と流通業者間の垂直的関係と異なるチャネルの流通業者間の水平的関係があり、それぞれにガバナンスの問題が存在する。本研究はさらに、この垂直的および水平的関係のガバナンスの問題とマルチ・チャネル・システムの構造的特性との相互作用に焦点を当てている。 当該年度、マルチ・チャネル・システムにおける企業間のガバナンスの問題とマルチ・チャネル・システムの構造的特性との関係について仮説を立てて、それらの仮説の検証を行った。具体的には、垂直的ガバナンス (製造業者と流通業者間の情報共有) と水平的ガバナンス (異なるチャネル間のコーディネーション) のチャネル・パフォーマンスへの直接効果、そしてそれらのパフォーマンス効果に対するChannel variety (チャネルの多様性を意味する尺度) とChannel duality (直接・間接の両チャネルを等しく利用している程度を示す尺度) の調整効果をテストした。分析結果は、垂直的ガバナンスの正のパフォーマンス効果は、Channel varietyが増すごとに弱められ、Channel dualityが高くなるほど強められることを示唆していた。本実証研究は、英語論文にまとめて、マーケティング分野のメジャージャーナルの一つであるJournal of Business Researchに投稿して、採択され、2023年2月に出版された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度においては、新型コロナ蔓延による調査や国際学会参加ための出張などの研究活動の制約はほとんどなくなった。計画通りに、国際学会での報告を行うことができ、それらを発展させて国際的に評価の高い学術雑誌に投稿し、採択された。したがって、おおむね順調に研究を遂行することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度が本研究プロジェクトの最終年度である。現時点で、研究計画の大きな変更はなく、研究を遂行する上での大きな問題点はないと考えている。これまでに行った実証研究の中で、ペーパーにできていない研究をまとめて、国際学会で報告する予定である。また、学会で得たコメントや助言を反映させて、英文論文を書き上げ、英文学術雑誌に投稿する予定である。さらに、本研究課題を発展させた次の研究プロジェクトを計画する予定である。
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Report
(3 results)
Research Products
(6 results)